英ハッカー裁判-- 「DDoS攻撃は、ガールフレンドを侮辱されたリベンジ」

 米国の主要な港のサーバを停止させた攻撃が、実は容疑者がインターネット上で知り合い、つきあいを続けるガールフレンドのことで、小競り合いをした結果だったと、検察官が語った。

 米国の港へインターネット攻撃を行った罪に問われている英国のティーンエージャーは10日(現地時間)、検察官の陳述に登場する重要な人物には実際に会ったことはないと認めた。その人物とは、被告の当時のガールフレンドのことだ。

 検察当局は、被告のAaron Caffreyが、自分のガールフレンドであるJessicaを非難されたと感じてDDos攻撃を仕掛けたと主張している。検察官は、攻撃が起こった当時のインターネットチャットの記録(ログファイル)を提出し、それが被告が攻撃を実行する動機となったことを証明するものだと述べた。

 Caffrey側では、このログファイルはハッカーによって変更され、自分のパソコン内に置かれたもので、このハッカーが証拠を隠すためにCaffreyのパソコンを経由してDDoSを実行したと主張している。

 ロンドン警視庁のComputer Crime Squadが、Caffreyのコンピュータから引き出した証拠によると、この10代の少年は、2001年9月11日に米国でテロ事件が起こったその9日後に、南アフリカのサーバにあるチャットルームに参加していたが、同じくそこでチャットしていたBokkieという名の参加者が米国を罵倒する内容のコメントをした。ガールフレンドのJessicaが米国出身であることから、CaffreyはBokkieへの復讐として攻撃を開始したが、結果的にはそれが米テキサス州ヒューストン港のサーバを停止するに至ったと、検察側では主張している。

 被告のCaffreyは10日、英Southwark Crown Courtで証拠を提示しながら、Jessicaは当時自分のガールフレンドであったこと、またおよそ1年前に知り合っていたことを明らかにしたが、ただし2人の関係は純粋にインターネット上だけのもので、実際には会ったことがないと語った。

 被告はまた、先週初めに捜査官のPaul StuntやNeil Barrett教授などの鑑定人が提出した証拠についても反論した。被告によると、鑑定人は自分のコンピュータの「完全な調査」を行っておらず、またハードディスクの中味について自分が個人的に調べることも許していないという。

 「鑑定人たちは、トロイがどんなものかを知っていると思っている。だが、あらゆる実行可能なファイルが対象となり得るのだ。鑑定人たちは、私のコンピュータにある全ての実行可能なファイルを調べただろうか? 答えはノーであると確信している」と、Caffreyは述べた。

 被告のコンピュータがトロイに感染していたとすれば、その形跡が残っているはずだというBarrettの証言についても、Caffreyは反論した。「(そのようなファイルは)自己破壊メカニズムを持っているはずだ。実行後、ファイルは元のファイル上にまったくでたらめなデータを上書きするアルゴリズムを実行するはずだ」と、Caffreyは主張している。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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