シャープは3次元スクリーンを搭載したノートパソコンを発売した。同社は、この製品がコンピュータの新しい眺め方を提案するものとなると期待している。
新ノートパソコン「Actius RD3D」には、いわゆる「視差バリア方式」を用いた特別な15inchスクリーンが搭載されており、人が特殊なメガネをかけなくても、3D画像を見たり3Dアプリケーションを実行したりできるようになっている。たとえば、人気ゲーム「Quake」をこの3Dモニター用に調整したバージョンでは、人体や銃弾があちこちを飛び回っているように見える。
このノートパソコンには、2次元のアプリケーションやビデオや画像の見た目を、リアルタイムに3次元化する、米Dynamic Digital Depth(DDD)のソフトウェアもバンドルされている。
「モナリザのような有名な絵画の画像をスキャンすると、すぐにその3Dバージョンができるのだ」と、DDDの最高経営責任者(CEO)Chris Yewdallは述べている。
コンピュータの世界に3Dのインターフェイスを持ち込むことは、この業界では長年の目標だった。画像が画面から飛び出すように見える、ウェブブラウザソフトウェアなどの技術を開発した企業もいくつかある。しかし、3次元の遠近法を使ってより現実的に見えるように描かれた画像はあるものの、大部分のウェブは現在も2次元のままだ。
シャープやソニーなどの企業は市場を盛り上げるため、3D Consortiumという業界団体を今年結成し、3次元ディスプレイの標準策定や、3次元表示技術の普及の障害となり得る、眼精疲労などの問題の調査を行なっている。
シャープのノートパソコンは、実のところ、同社製ディスプレイ技術を披露する主な手段となっている。Actius MM10--Comdex Fall 2002では、日本での製品名「Muramasa」で発表されていた--は、厚さ約1.4cmで重さは約0.9kg強だが、こうした軽量・薄型のデザインが可能になったのは、同社製スクリーンのおかげだ。シャープはまた、ワイドディスプレイ付きのノートパソコンも発売している。
RD3Dの価格は決して安くはない。同モデルは、2.8GHz Pentium 4とNvidia GeForce 4 440グラフィックチップ、記録型DVDドライブ、ハードディスク60GB、メモリ512MB搭載で3299ドルだ。
シャープによると、同社は3次元のデスクトップ液晶モニタの発売を検討中だという。また東芝も、同様の3次元モニタに取り組んでいる、と同社に近い筋は話している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス