調査会社の米Forrester Researchは、製品比較調査を依頼したテクノロジー企業が、その調査結果を公表することを禁じた。
Forresterは、つい最近、会長および最高経営責任者が同社のウェブサイトに連名で発表した声明のなかで、この「誠実さに関するポリシー」の変更について説明した。
新しいポリシーは、先月米Microsoftの依頼によって、ForresterのGiga Research部門が行った調査の発表を受けたものだ。同調査は、特定のプログラムの開発にあたり、Windowsオペレーティングシステムを使った場合は、Linuxに比べて開発費が安く済むと結論づけたもの。Gigaはこの調査にあたり、わずか12社しか調べていなかったため、一部の批評家からレポートの妥当性に疑問が投げかけられていた。
また、米PeopleSoftが依頼した、最近のForresterの調査では、米Oracleを含むどのライバルメーカーよりも、PeopleSoftのほうが高度なカスタマサービスを提供しているという同社の主張を支持している。PeopleSoftは、Oracleによる敵対的買収の試みに対抗する中で、この調査結果に関するプレスリリースを発表していた。
「我々は、両方の調査とも誠実なものだと信じている。だが、これらのクライアント企業に、調査結果を発表することを認めたのは間違いだった」と、Forrester最高経営責任者(CEO)のGeorge Colonyは声明のなかで述べている。
企業が単独で依頼する調査は、Forresterの売上のわずか2%にしか過ぎないと、Colonyはインタビューのなかで説明した。大部分の売上は、自前の調査報告や提言を求めて定期購読契約を結んでいる企業からのものだと、 Colonyは説明した。
IT調査企業は、どちらかというと取り上げるテクノロジー企業の顔色を窺わなければならないため、その客観性が長年にわたって、たびたび問題にされてきた。また最近、PeopleSoftに対するOracle訴訟の証拠開示手続き段階で、複数のOracle幹部がやりとりした一連の電子メールが記者の手に渡った際にも、この問題が浮上した。
この電子メールは、PeopleSoft獲得を狙ったOracleの提案に関するもので、自社にとって都合の良い記事を書いてもらうために、テクノロジー企業がアナリストにかける圧力について、認識を新たにさせるものだった。Oracle幹部は、有名な調査企業のアナリストに宛てた電子メールで、同社はアナリストがPeopleSoftを贔屓していると非難し、PeopleSoftがなくなればどうなるか、と脅しをかけた。また、別のOracleの電子メールには、ほかの調査会社のアナリストが入札に関するリサーチノートを書き改め、発表前にOracleにそれを見せて、内容のチェックまでさせていたと記されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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