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CERN、グリッド・コンピューティング・ネットワーク計画の第1段階を始動

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 欧州素粒子物理学研究所(European Particle Physics Laboratory:CERN)は29日(現地時間)、完成間近の素粒子アクセラレータから生成される数テラバイトのデータ処理が可能な大規模なコンピューティングネットワークの第1段階を始動させたと発表した。

 現在CERNは、宇宙創生の仕組みを説いた、いわゆるビッグバン理論を検証するための、Large Hadron Collider(LHC)と呼ばれる大型素粒子アクセラレータの建設に取り組んでいるが、その前にまず、その装置から出される膨大なデータを処理できるコンピュータネットワークを構築する必要がある。LCG(LHC computing Grid)と呼ばれる同プロジェクトが完成すれば、科学者は世界各地に存在するコンピューティングリソースを、あたかもそれが地元(自国)にあるかのような感覚で利用できるようになる。LCGでは、多数のデスクトップパソコンや小型サーバが1つの仮想スーパーコンピュータとして機能できるよう、ネットワーク上で接続される。

 29日に運用の始まったLCG-1は、このサービスの最初のプロトタイプであり、3大陸12カ国のコンピューティングリソースが利用可能だ。CERN の科学者たちは、2007年に予定されるLHCの始動を前に、LCGはさらに拡大し、より多くのリソースやサービスが利用可能になると予測している。

 同プロジェクトの第1段階には、スイス、チェコ共和国、フランス、ドイツ、ハンガリー、イタリア、日本、ロシア、スペイン、台湾、英国、米国の団体・機関が参加しており、CERNは今年、少なくとも16カ国の新たな参加を見込んでいる。

 CERNのLCGプロジェクトマネジャー、Les Robertsonは声明の中で、 「LCGにより、世界中の科学コンピューティングセンターの力を利用して、世界で最も強力なコンピューティングリソースの提供が可能になる」と語った。

 このコンピューティングネットワークにより、ビッグバン理論の解明に挑む数千人の科学者が1つにつながることになる。彼らは、LHCを利用してビッグバン直後に存在したとされる数々の状況を再現することにより、Higgs bosons(ヒッグス粒子)という名で知られる素粒子の存在を証明しようとしている。Higgsは、その粒子の存在を最初に理論化した物理学者Peter Higgsの名に由来する。またbosonsは、もう1人の物理学者S.N. Boseにちなんで名付けられた粒子を意味している。科学者たちは、LHCがその粒子を作り出すために必要な状況を作り出すことを期待している。もっとも、そのような状況が実在すればの話だが。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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