米Palmは10月1日(米国時間)、3つの新製品を発表する予定だ。同社では、この新製品発売で、ハードウェアビジネス部門の経営状況がさらに改善することを期待している。
情報筋によれば、同社のハードウェア部門は、ビジネスユーザーをターゲットにしたTungstenシリーズに2機種を追加し、また99ドルで販売しているコンシューマユーザー向けのZireについては、新型へのモデルチェンジを発表するという。各新製品は、Palm OSのバージョン5のアップデート版を搭載することになる。新製品の1つ、Tungsten Eは、Palmの新境地を開くもので、馴染みのあるデザインでビジネスユーザーをターゲットとしつつ、199ドルという価格でコンシューマ市場での大量販売を狙っている。
今回発表となる新製品は、Palmにとっての成長の機会をもたらすものと、同社では考えている。
Palmの経営状況は、数四半期にわたって大きく変動した後、ここに来て改善を続けている。だが、今後の見通しは決して楽観できるものではない。同社の話では、2004年度第1四半期には、平均販売単価こそ167ドルから231ドルへと上昇したが、出荷台数は前年同期と比べて21%減少し、64万5000台になったという。
今年の年末商戦は、Palmにとって販売台数アップを狙う絶好の機会であるが、その際に重要な役目を果たすのが、新たに発売となる99ドルのZire 21だ。同機の前年のモデルは、やはり99ドルという価格設定だったが、年間を通じて好調な売れ行きを示し、これまでの同社製品のなかで最も急速に売上を伸ばしたPDAとなり、同社の停滞するビジネスを好転させる材料となった。また、Zire 71というモデルも同様に人気が高いが、オリジナルのZireに付けられた99ドルという値段が、コンシューマを惹き付けた一番の要因だった。
このオリジナルモデルと同じく、新しく発売されるZire 21でも、プラスチックケース、バックライトなしのモノクロ画面といった部分は変わらない。だが、新製品では8MBのメモリに、より強力なプロセッサ、Palm OSバージョン5のアップデート版を搭載しているという。
Palmはまた、Palm Vの所有者で、いまだ新たな機種へアップグレードしていないユーザーをターゲットにしたTungsten Eを登場させ、出荷台数を伸ばそうとしている。Palm Vファミリーは、同社の人気製品ラインの1つで、スマートなデザインがユーザーを惹きつけているが、Palmでは199ドルで販売するTungsten Eでも、この点を念頭に置いているという。この新製品は、320×320ピクセルのカラー画面に、32MBのメモリ、Secure Digitalの拡張スロットを備える。また、PCと同期用には、クレードルの代わりにケーブルが付属し、またTexas Instruments(TI)のOMAPプロセッサを搭載するという。
さらに、もう1つの新製品、Tungsten T3の重要な機能はディスプレイで、仮想の手書き入力認識エリアを持ち、またコンテンツ閲覧のために大きなスペースを取ってある。Tungsten T3の価格は399ドルで、64MBのメモリ、Bluetooth通信機能、400MHzのXScaleプロセッサ、320×480の解像度のカラー画面を搭載する。同製品では、Tungsten T/T2と同様のスライド型ケースを採用している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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