新たに発足したPtoP業者の団体は、音楽業界側の弁護士らに交渉の席に着くよう呼びかけつつ、同時に、自分たちに敵対する側を、時代遅れで「恐竜のようだ」と罵倒した。
6つのPtoP事業者が結成したP2P Unitedは29日(米国時間)、ワシントンD.C.でお披露目のイベントを開催した。同団体の活動の目的は、PtoP企業が法を守る正当な企業であることを米国議会に示すというものだ。P2P Unitedは、著作権侵害は悪い行為であるとユーザーに警告することを約束した行動規範の存在を大きく打ち出しているが、ただし広範囲に広がったPtoPネットワーク上で行われている違法行為の取り締まりはしない。
NPC(ナショナルプレスクラブ)で開かれたイベントに登場したPtoP Unitedのメンバーは、LimeWire、Blubster、Grokster、Morpheusを提供するStreamcast Networksの4社(この他、BearShareとeDonkey 2000がPtoP Unitedに加盟している)。いっぽう、Kazaaを配信するSharman Networksは、この団体に参加していない。
このイベントで、P2P Unitedを代表するベテランロビイストのAdam Eisgrauは、「P2P Unitedは、PtoPが無責任なビジネスではないことを言葉だけでなく行動で示すために、ワシントンで活動を展開していくつもりだ」と語った。
しかし、同団体に参加した他のメンバーは、ファイル交換の息の根を止めようと個人ユーザーを標的にした法的行為に打って出ているRIAA(米レコード協会)を、政治の世界ではめったに使われない言葉で罵倒した。
「彼らは一体何をしているのか? 自分たちを何様だと思っているのか? とんでもない話だ」と述べたのは、Groksterの会長、Wayne Rosso。「これは完全に非難すべき行為だ。他の人がどう見ているのか知らないが、12歳の少女を訴えるなんて児童虐待だ」。
Eisgrauは、RIAAとの協定を結ぼうという自分たちの計画は、このような派手な言葉により傷つけられるべきではないとフォローした。
いっぽう、RIAAは、発表した声明文のなかで、次のように述べている。「違法なファイル交換がはびこっており、これを行うとどうなるか、さらにPtoPネットワークが個人のプライバシーや安全性に与える他の危険性に関して、メンバー企業がユーザーにもっと積極的に教育する必要があるということをP2P Unitedは認識している。これは元気付けられることだ。しかし、現実を直視しよう。PtoP企業には、自分たちが正当な企業であることを主張する前に、行うべきことがたくさんある」。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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