米インテル、発展途上国向け低価格チップを準備中

 カリフォルニア州サンノゼ発-米Intelは、インドや東欧などの発展途上地域の顧客に向けたプロセッサやチップセットの低価格バージョンを提供する方法について、現在検討を重ねている。

 同社プレジデントのPaul Otelliniは16日(米国時間)、サンノゼで開催中のIntel Developer Forumにおいてインタビューに答え、Intelが自社パソコン部品の廉価版の準備を「非常に真剣に」検討中だと述べた。「次の10億人(のパソコンユーザー)に向けたものにはならないかもしれないが、その次に来る10億人には間に合うだろう」(Otellini)

 Otelliniはまた、フル装備のパソコンが、ゆくゆくは299ドルや199ドルといった価格で売られるようになるとも述べた。

 発展途上地域は、ハイテク企業にとっての新たなフロンティアだ。北米やヨーロッパでは、パソコンが既に有り余っている。Intelなどの企業は、中国などの地域で大きく業績を伸ばしている。しかし、こうしたパソコンのほとんどは、地方部ではなく、都市部の中流階級向けに販売されたものだ、とIntelのバイスプレジデント兼デスクトッププラットフォームグループ総合責任者、Bill Siuは述べた。

 台湾のVia Technologiesは、同社の低価格プロセッサの大半を、発展途上地域の市場で販売している。一方、米Advanced Micro Devicesは最近、安価なDuronシリーズを中国市場向けに復活させた。

「したがって、350ドルで売ることはない」と業界ニュースレター「Microprocessor Report」のチーフエディター、Peter Glaskowskyは説明する。

 Siuによると、現在一部のメーカーでは199ドルのパソコンを販売しているが、こうしたパソコンにはパソコンの標準的機能が欠けていることが多い。またこれらのパソコンには一般に、Windowsが搭載されていないという。「ソフトウェアはパソコンの重要な1部分だ」(Siu)

 同社が現在主に直面しているのは、デスクトップマシンの構築コストをいかに下げるかという問題だ。従来、半導体メーカーは2、3個のパーツを結合し、1枚のシリコン片に載せることでコストを削減してきた。

 「複数のパーツを1つに統合するという手は、これまでメーカーにとって強力な味方だった」とSiu。しかし統合コンポーネントは開発にかなり時間がかかるため、メーカーは発売チャンスを逃したり、競合製品よりも処理速度が遅いプロセッサを新たに発売する恐れがある。

 ハイテク技術のトレンドを予想するのも難しい。1990年代末、IntelはTimnaというコード名の低価格プロセッサを開発していた。Timnaには、Rambusの設計に基づたメモリを効率的に利用するための、専用メモリコントローラが含まれていた。Rambusメモリが高価で人気がないことが分かると、Timnaは開発中止となった。

 「我々は、間違ったメモリに賭けてしまった」(Otellini)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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