何かと論争を巻き起こしている米SCO Groupは、Linuxベンダー最大手の米Red Hatに対して、米国時間15日に反撃に転じ、自社に対してRed Hatが起こした訴訟の却下を求める異議申立て書を提出した。
デラウェア州の米連邦地裁に提出された異議申し立て書のなかで、SCOは、オープンソースのLinux OSに対する自社の訴訟はRed Hatを具体的に狙っているわけではないため、Red HatにはSCOを訴える根拠がないと主張している。
「Red Hatの起こした訴訟は、Linuxに関してSCOが有する法的権利が市場でどのような意味を持つかについて、一般的な指針を求めるものに過ぎない。これは、確認訴訟法では認めがたい解釈だ」と異議申立て書には記されている。
SCOは、自らが主張する法的権利を根拠に、同社の許可を得て引き続きLinuxを使用したいと考えている企業に対して、ライセンス供与プランを発表した。
これに対し、Red HatはSCOを訴えることで応酬し、SCOの起こした訴訟はLinuxの評判を落とし、オープンソースソフトウェアを促進しようとしているRed Hatや他のベンダーを害するための策略だと主張している。この訴えのなかで、Red Hatは、自社がSCOの著作権または企業秘密を侵害していないという確認と、Red Hat版のLinuxがSCOの知的所有権を侵害しているとの主張をSCOに禁じるよう求める禁止命令に加え、SCOによる不当競争、事実に反する広告、不公正で欺瞞的な取引慣行、経済的優位性に対する妨害によって生じた損害賠償を求めている。
いっぽうSCOは、今回提出したRed Hatに対する異議申立て書の中で、自社の提訴が、とりわけ言論の自由を保証した憲法修正第1条によって保護されていると主張している。「ラナム法(米国の知的所有権法の土台の1つ)の下で政府が保護すべき利権があるとしても、著作権の保護、裁判を受ける権利の保護、訴追免除の保証、迅速で公正な訴訟の推進、言論と報道の自由の保護というような根本的な権利の重要性に比べれば、取るに足らないものだ」と、SCOは述べている。
同社はまた、Red HatがSCOの著作権を侵害していないことを明確にする確認判決を要求していることについても、攻撃を加えている。SCOとRed Hatには契約関係がないので、司法の介入を必要とする「論争」は実在しないはずだ、というのがSCOの主張だ。さらに、Red Hatは同社がSCOによって訴えられる可能性があることを証明したわけではない。
SCOの異議申立て書によれば、「SCOを訴えたRed Hatの本当の動機は、Linux業界全体にかけられた嫌疑を何とか晴らしたいため」だという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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