カリフォルニア州サンタクララ発――米Microsoft最高経営責任者(CEO)のSteve Ballmerは15日(米国時間)、最近見つかったセキュリティ上の脆弱性は、「技術革新に対する新たな課題で、今後ますます大きくなっていくもの」であると警告し、同社が「泥棒やペテン師、テロリスト、ハッカー」から攻撃を受けていることを認めた。
同社は、こうした攻撃者を妨害するための新手段を開発し、先頃あったMSBlastのようなウイルスが大混乱を引き起こす前に、攻撃者の侵入を遮断することを狙った計画だという。
Ballmerは、サンタクララで開かれたシリコンバレーの実業家の集まり「Churchill Club」でのスピーチで、「我々が集中的に取り組んでいる最も重要な技術分野は防護技術だ」と述べた。「悪い連中がウイルスを書きつづけているのは分かっている。彼らがパソコンに侵入する前にブロックするのが目標だ」
こうした技術は従来、ウイルス対策ソフトウェアメーカーの縄張りだった。しかしBallmerは、米Symantecや米Network Associatesなどの企業とより密接に協力していきたいと強調した。
「これは業界全体の問題で、戦わなければならないのはMicrosoftだけではない」とBalmerは述べ、Microsoftのオペレーティングシステム(OS)だけではなく、ルータやデータベース、ISPの接続など、ネットワークインフラの他の分野も脅威にさらされていることを指摘した。なお、Microsoftは6月に、ルーマニアのウイルス対策ソフトメーカー、GeCad Softwareを買収している。
Ballmerは、顧客がMicrosoftの現状に満足していないことを理解していると述べた。特に同社は、OSや他のプログラムのアップデートに使うソフトウェアパッチの配布・管理方法を改善しなければならない、とBallmerは話している。同社では、既存のプログラムに脆弱性がないかを調べたり、最新ウイルスを使って欠陥を探したりするプロセスを、コードの「後処理」と呼んでいるが、このプロセスに、他の企業を参加させる方法も探している。
「我々の目の前には、まだ片付けなくてはならない仕事が山積している」(Ballmer)
Ballmerによれば、Microsoftがやめられないことが1つあるとすれば、それは技術革新を止めることだという。「開拓時代の西部では、強盗がいるからといって銀行が閉まることはなかった」(Ballmer)
しかし、Microsoftはある意味で、そうした戦術をすでに試している。昨年始め、同社は主要製品の開発を停止し、セキュリティバグを探すためにコードを1行ずつ綿密に検査した。だが、ふだんはWindowsの新バージョン開発に携わるプログラマを8500人以上も動員したこの取り組みも、結局確たる成功は収められなかった。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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