Windows、Linux、そしてPalm用に書かれたプログラムが動作するオペレーティングシステム(OS)を考案したという2人のシンガポール人発明家が、この製品を今月正式に発売する。
これまでIntramediaを名乗っていたRadixsの最高経営責任者(CEO)、R Chandraによると、今回の発表は投資家探しや「必要不可欠な新機能」の追加に難航したことで、当初より1年遅れになったという。
同社の開発したMXI OSを搭載すると、1台のコンピュータでWindows、Linux、もしくはPalmオペレーティングシステム用に開発されたプログラムが動作するという。Radixsでは、MXIが洗練されたエミュレーションを実行し、これによってネイティブでないプログラムが、まるでネイティブのOS上で動作しているかのようにスムーズかつ高速に実行されると断言している。
また、このOSのもう1つ別のものは、ワイヤレス通信機能を搭載したハンドヘルドコンピュータ(携帯端末)上で動作する。
ハンドヘルド機を利用するユーザーがプログラムを動かすと、このプログラムの大部分がMXIサーバ上で実行される。そして、必要十分なデータだけがMXIの動作するハンドヘルド機にワイヤレス転送され ユーザーがドキュメントを見たり、操作できるようになる。操作対象となるテキストファイル、スプレッドシート、もしくは画像といったドキュメントは、ハンドヘルド上ではなくサーバ上に格納される。
Radixsの最高技術責任者(CTO)、Sam Hon Kong Lumは、このようにすることで非力なハンドヘルド機でも、多くのリソースを必要とするデスクトップPC用プログラムが動作すると説明している。
Chandraはまた、ハンドヘルド機上でデスクトップアプリケーションを動作させるときに発生する問題を克服する「エキサイティングな」ハードウェアを、今月行われる発売イベントで披露することも約束した。
同社CTOによると、第三世代(3G)データネットワークでは応答性やストリーミングメディアの内容が一段と向上するが、データに対する要求度の低いMXIワイヤレス通信機能によって、同システムは速度の遅いGPRS(General Packet Radio Service)携帯電話の通信機能でも利用できるという。
1つのプラットフォーム向けに書かれたプログラムを別のプラットフォーム上で実行できるようにする、いわゆるソフトウェアエミュレータは複数存在する。これらを利用すれば、たとえばAtariのプログラムをWindows PC上で実行させたり、PlayStationのゲームをMacintoshで使ったり、WindowsのアプリケーションをLinux上で実行することもできる。
Radixsによると、これらのエミュレータとは異なり、MXIはそれ自体がオペレーティングシステムであり、現在主流を占めているOSの中につくった「仮想環境」ではないという。さらに同社は、MXIを使えば1種類だけでなく複数のプラットフォーム向けに書かれたプログラムが動作する、と断言している。
同社のビジネスモデルは、同OSを携帯電話事業者向けのサービスとして販売し、これらの事業者が加入者にワイヤレスアプリケーションを提供するというものだ。
Radixsには現在約40人の従業員がおり、そのうち25人がソフトウェア開発者で、全員がシンガポールで仕事をしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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