IT業界はどこに向かっていて、顧客企業は何にフォーカスすべきなのか? 先週オーストラリアで、Microsoft、Oracle、Intel、Dell、EMCなどトップITベンダーの幹部が集まり、この問い掛けに関する討議を行った。
討議の結果は、予想通りのものだった。EMC豪州のマネージングディレクターSteve Redmanは、ITの将来はとにかくストレージだと述べた。
Redmanは、今後数年間でメールソフトの受信箱は情報の洪水でいっぱいになる上、7年間は全情報を記録しなければならないという法にも準拠しなければならないことから、ITマネージャの課題は、データの効果的な保存と管理だと述べた。
Oracleのビジネスおよび技術ソリューション・ディレクターのRoland Sleeは、企業の置かれた現状を技術の進歩に翻弄される奴隷状態と形容した。Sleeは、月末の分析を例にとって、次のように説明した。現在、企業はその月の終わりまで待ってデータ分析を行う。Sleeによると、このやり方があまりに定着してしまったために、誰もがこれがあるべきやり方だと信じ込んでしまっているという。だが、我々がそうしている理由は、技術がそうしなければならないと指示するからだとSleeは述べる。
今日の情報システムは、「ひどく不正確だ」とSleeは述べ、問題の一部はどの企業にもシステムが必要以上にあるからだと続ける。これに対する答えは、情報配信の中央集権化と標準化で、全システムを統合し、グリッドコンピューティングの力を利用して、データを管理することだという。
Sleeは、ユーザーが月末ではなく翌日、あるいは1時間後にデータにアクセスし分析できる、リアルタイム分析に可能性を見出している。もちろん、その中心にはデータベースがある。
Intel豪州のマネージングディレクター、David Boltは、将来の成長は、モバイル製品がもたらすと見ている。ワイヤレス技術に傾倒しつつあるベンダーのコメントとしては、驚きでも何でもない。
おそらく、もっとも興味深い意見を述べたのは、Dell豪州のマネージング・ディレクター、David Millerだろう。Millerは、将来の予見を述べるかわりに、Dellの成功の背景にある理由、サプライチェーンについて語った。Millerによると、Dellでは強力なSCMを持っているため、在庫を手元に置く必要がないという。
これは、ライバルIBMの掲げるユーティリティコンピューティング戦略とは正反対の考えだ。「ユーティリティはオンデマンドでのキャパシティを待っている。Dellでは、この方法がうまくいくとは思っていない」(Miller)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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