現地時間27日に、ベルギーの首都ブリュッセルにある欧州議会の建物の前に、数百名のデモ参加者が集まり、欧州のソフト業界に深刻な打撃を与えかねないと批判されるソフトウェア特許に関する指示書への抗議活動を行った。
この現実のデモ活動と平行して、インターネット上でも反対運動が展開され、有名なオープンソースソフトサイトを含む600以上のウェブサイトのフロントページの内容が、指示書についての警告文に差し替えられた。
抗議行動の矛先は、コンピュータを使った発明の特許取得可能性についての指示書に向けられている。批判者たちは、この指示書はビジネスプロセスやソフトウェアの構想についての特許取得を合法化するものだと指摘する。実際に、そのような特許が認められている米国では、IBMなどの大手企業が、ライバル企業に対して行使するための特許を日常的に蓄積しており、そのためにより小規模な企業が損害を被る結果となっている。
反対派の人々は、9月1日に行われる議会の採決で指示書が否決されることを願っており、また指示書の内容を限定化する方向での改訂を望んでいる。これまでに経済学者、ソフト開発者、科学者、欧州の一部の大手IT企業がこの指示書を批判した。
今回の抗議行動の主催者には、フランス、ドイツ、ベルギー、スペインのカタロニア地方、デンマークのソフト開発者およびデジタル権のロビー団体が含まれている。主催者によると、ブリュッセル警察に認められていたデモ参加者数の上限は500人だったが、実際の参加者数も推計で400人から500人の間だったという。
デモ参加者は手に黒い風船を持ち、さらに「特許インフレは犠牲者なき犯罪ではない」、「ソフトウェア特許から技術革新を守れ」、「ソフトウェア特許は技術革新を止める」といった、英語やフランス語のスローガンがプリントされた黒色のTシャツを着て、抗議行動を行った。また「ソフトウェア特許は効率的なソフト開発を破壊する」や「訴訟ではなく、技術革新を」などのスローガンが書かれた横断幕も掲げられた。
また、黒いマスクを被ったパントマイムの一団が現れ、スーツ姿のビジネスマンとみすぼらしい格好の若いソフト開発者が素手で殴り合うという内容の、ソフトウェア特許についての喩え話を実演した。
その後、屋外でのデモ活動に続いて、欧州議会の建物の中では記者会見が行われた。その中で、オランダのナイメーヘン大学の数学・コンピュータ科学センター(Foundation of Mathematics and Computer Science)所長で、指示書に対する不服申立てを行っているコンピュータ科学者の一人であるHenk Barendregtや弁護士のReinier Bakels、さらにデモ活動を支援したFFII(Foundation for a Free Information Infrastructure)の所長、Hartmut Pilchが会見を行った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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