欧州で提案されているソフトウェア特許関連法案に対するインターネット上の抗議行動に、600以上のウェブサイトが参加を計画している。この抗議行動は、27日にベルギーの首都ブリュッセルで開催される現実の抗議行動と同時に実施される予定。
同法案の反対者には、欧州で最も著名な科学者やソフトウェア開発企業などが含まれている。彼らは、現在の草案はソフトやビジネスプロセスに関する特許権取得への道を開き、中小規模の開発者が競争から締め出されてしまうとの確信を抱いている。
オンライン抗議行動を組織しているFFII(Foundation for a Free Information Infrastructure)は各ウェブサイトに対し、フロントページを一時的に抗議文に差し替えるよう促している。サイトの中には、現在提案されている、コンピュータを使って生み出された発明品の特許に関する公式指示書に反対する、嘆願書や要望書に訪問者を導くものもある。この法案は欧州議会の承認を得るため、9月1日に同議会に提出される予定。
抗議行動参加への呼びかけは今年始めに開始され、賛同者はすでに7000人以上に達している。その中には、欧州議会のメンバー数名やOpera Softwareなどのデベロッパなども含まれている。一方、より一般的な嘆願書には17万人以上の署名が集まっている。
またFFIIやEuroLinuxなどのソフト推進団体も27日(現地時間)に、ブリュッセルの欧州議会周辺で、抗議行動を計画している。参加者は、「ソフトウェア特許は、効率的なソフト開発を破壊する」や、もっと簡潔な「訴訟ではなく、革新を」といったスローガンが書かれた横断幕を掲げる予定。
欧州議会は今年6月に、論議を巻き起こしたこの法案の採決を予定していたが、議会のメンバーから、これが立法化すれば、欧州の小規模企業やオープンソースソフトの開発者にとって有害な、米国式の特許社会を誕生させることになるとの批判が相次ぎ、延期された。
欧州委員会(EC)は、ソフトも含まれると解釈可能な「コンピュータを使って生み出された発明品」に、特許ルールが適用されることから、この特許ルールの明確化に取り組んでおり、今回のソフト特許関連法案もそうした取り組みの結果誕生した。EU参加国の特許庁は、ソフト関連特許の妥当性の承認についてそれぞれ異なる基準を設けており、ECの法案のねらいはこうした状況を改善することにある。
しかし法案の反対派は、現在の草案は曖昧な点が多く、これでは大半のソフトに特許が認められることになるが、それはまさに小説のアイデアの独占を認めるのに等しいと批判されている現在の米国の状況と同じだ、と批判している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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