米Advanced Micro Devices(AMD)は、低価格PC向けチップ市場でのシェア奪回に向け、同社のDuronプロセッサを復活させた。また、Athlon XPチップについてもおそらく延命処置を講じていく。
同社は米国時間25日、1.4GHz、1.6GHz、および1.8GHzで動作する3種類の新しいDuronチップの販売を、中国や中南米などの市場で開始したことを認めた。しかし、AMDの関係者は、これらの新チップは数量限定で、発展途上国の市場のみで販売されることを強調した。
AMDの最高経営責任者(CEO)、Hector Ruizは昨年の4月、Duronを2002年末までにフェーズアウトさせると述べ、また同社では2002年1月以降、新しいDuronを投入していなかった。
さらにAMDは、2001年から販売しているAthlon XPを90ナノ製造プロセスへ移行し、同チップの製造を2004年まで継続するだろうと語った。同社の幹部は先に、新しいAthlon XPを出す計画も、同チップを先進の90ナノプロセスに移行する計画もないとしていた。
アナリストらによると、これらの方針変更は、同社の製品ラインの隙間を埋め、財政状況を強化するための手段だという。
Duronの復活は、中国市場での販売に活を入れる意味がある。中国市場での不振は、予想を下回る結果に終わった同社の第2四半期の売上の原因の一部となっていた。
一方、新しいAthlon XPのほうは、まもなく登場するAthlon64ラインアップの遅れをカバーするために投入される。AMDのマイクロプロセッサ事業部ゼネラルマネジャー兼バイスプレジデントのMarty Seyerが、今月初めのインタビューで語ったところでは、最初のAthlon64チップは9月発売が予定されているが、量産出荷は90ナノプロセスによる製造開始後になるという。
90ナノプロセスを採用することで、チップメーカーは90ナノメートルの平均パターン寸法を持つチップを製造できるようになる(1ナノメートルは10億分の1メートル)。現行のチップは130ナノプロセスで製造されている。
Seyerによると、90ナノプロセス製造技術の利用が開始されない限り、Athlon64のサイズは193平方ミリメートルのOpteronチップと変わらないという。対するAthlon XPのサイズは101平方ミリメートルで製造コストが大幅に安い。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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