電子申請推進コンソーシアムは8月25日、岐阜県行政書士会と共同で行った電子代理申請の実証実験ついて、実験結果を報告した。
同実験は、2003年2月20日から3月20日まで、県の協力を得て実施した。参加企業は、クリックス、アドビ システムズ、日本ユニシス、ネットマーク、日立システムアンドサービス。実験の概要は、建築事業者の決算変更届を、行政書士などの代理業者が電子ファイルで作成、県に提出するというもの。
同実証実験では、公開鍵暗号基盤「PKI(Public Key Infrastructure)」を使って電子署名したPDFファイルを、業者の「電子委任状」として使用した。申請書類の本体は、行政書士がXMLベースで作成、これに、法務省が発行する「商業登記用による電子証明書」や、日本認証サービスの「AccreditedSign type 2」といった電子証明書を添付して、県の窓口に発送した。
同報告書では、以下のテーマについて実験結果を検証しており、今後構築すべき電子申請システムや代理申請システムへの方向性を示している。
また、電子申請推進コンソーシアムは、同実験に関して、実験に携わった行政書士と県庁職員にアンケートを行い、電子代理申請についての理解度を調査した。それによると、同電子申請システムの構成についての平均理解度は100段階中68となった。電子委任状に関する平均理解度は同80。申請データの記述についての平均理解度は同76だった。
この結果、申請データを管理することを想定したファイル形式を検討する必要があることがわかったという。申請データが複数ファイルの集合であることをユーザーが煩わしく感じることなどがその理由という。さらに、申請内容が不備な場合の補正の運用について明確でなかった点や、受付行為に対するシステム認識の甘さがシステム設計者側にあったこともわかったという。これらの点を厳密に考慮してシステムを設計することが今後の課題になるという。
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