デジタル文書に対して、コンピュータがその文書の内容を理解してさまざまな処理を行えるようにする――ウェブ標準化団体のW3C(World Wide Web Consortium)が、あるプロトコルをその候補として標準化を推進している。
標準化が進んでいるのはOWL(Web Ontology Language)と呼ばれるオントロジー(存在論)言語であり、DAML+OILと呼ばれるオントロジー言語の改訂版にあたる。OWLは、W3Cがこれまで取り組んできた「セマンティックウェブ(ウェブ上の文書に意味を持たせる)」活動の一環として登場してきたものだ。
デジタル文書に対して、コンピュータが転送、ストア、表示といった単純な作業だけでなく、実際に意味を理解して各種の処理を行えるようにするというのが、セマンティックウェブの考え方だ。W3Cは何年にもわたって、このセマンティックウェブに対する懐疑論に立ち向かってきた。
セマンティックウェブに属するほかの標準言語としては、多目的に利用できる記述言語のXML(eXtensible Markup Language)や、異なるデータ記述手法を統合するRDF(Resource Description Framework)などがある。
OWLはコンテンツにより詳細な記述を与える言語として、既存のこれら技術からさらに一歩向こうに足を踏み出そうとしている。
8月18日に提出された6つのOWLドラフトでは、その概要について「個々の用語の意味とそれらの間の関連性を表すために使われる」と説明している。「用語の意味とそれらの相関関係を表現すること、それをオントロジー(存在論)と呼ぶ。OWLはそれらの表現において、XMLやRDFよりも多くの機能を備えている。ゆえにOWLは、コンピュータが理解可能なウェブコンテンツの記述において、それら技術よりも一歩先を行っているのだ」
今週提出されたOWLのドラフトは、3カ月の遅れでの登場となっている。今年4月、W3CはOWLのWorking Draftを提出し、5月9日までにその次の標準化プロセスであるCandidate Recommendationにすると約束している。
OWLは、Candidate Recommendationの次、標準化プロセスの最終段階であるProposed Recommendationとなった後、少なくとも9月20日には正式に登場する予定だ。
W3Cのウェブ・オントロジー・ワーキンググループのメンバーには、Philips Electronics、DISA(Defense Information Systems Agency)、Hewlett-Packard、Sun Microsystems、富士通、Nokia、Stanford University、Motorola、IBM、Unisysが含まれている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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