Linuxディストリビューターの米Red Hatは米国時間8月5日、企業向けWebアプリケーション構築用の、Javaベースのオープンソースツール類を集め、自社パッケージに含める計画を発表した。
同社は自社のRed Hat Linuxオペレーティングシステムに、Eclipseオープンソース開発ツールとObjectWebオープンソースソフトウェアコンソーシアムのWebアプリケーションサーバソフトウェアをバンドルする予定だという。IBMが支援するEclipseコンソーシアムは、商用開発ツールに取って代わるオープンソースプログラムの開発を進めている。
Red Hatによると、バンドルされる製品のテスト版は今年後半に配付され、最終的にはRed Hat Enterprise Linuxのブランドで販売されるという。なお、価格設定については明らかにしていない。
Red HatのLinuxディストリビューションは、企業サーバ向け市場で、WindowsやUNIXに代わる、人気の高いオープンソース製品。Red Hatでは、今回発表したこのWebアプリケーションパッケージにより、既存のビジネスアプリケーションをLinuxやその他のオープンソースソフトウェアへ移行することに関心を持つ顧客の獲得を目指すという。
Red Hatによるバンドル契約が結ばれたことで、Javaソフトウェアの開発者には、既存アプリケーションの移行や新しいWebアプリケーションの構築に必要なオープンソースの開発ツールとサーバソフトウェアが提供されることになる。Red Hatは、Webアプリケーションソフトウェア関連のサポートとテクニカルサービスを提供するという。
Webアプリケーションソフトウェアは営利企業の独占状態だが、オープンソースの代替製品に対する関心も高まっており、TomcatとJBossの2製品がJavaベースのWebアプリケーションサーバとして人気が高い。オープンソースのWebアプリケーションソフトウェアは、無償オープンソースのLinuxとともに稼働している場合が多い。
Red Hatは、今回の合意の一環としてObjectWebコンソーシアムに加盟し、ObjectWebが主催するオープンソースプロジェクトに参加することになる。
ObjectWebコンソーシアムは、一連のオープンソースの「ミドルウェア」開発に焦点をあてて活動している。ミドルウェアとは、トランザクション処理やデータベースコネクションの維持といったネットワークサービスを提供するサーバベースソフトウェアを指す。ObjectWebコンソーシアムは'99年末に仏電話会社のFrance Telecom、仏コンピュータメーカーのBull、そしてコンピュータサイエンスを専門にするフランス国立研究機関INRIAによって設立された。
Red Hatは、ObjectWebのJonasソフトウェアをRed Hat Linuxに対応させるための最適化を行うという。Java Open Application Serverの略称であるJonasは、Java 2 Enterprise Edition(J2EE)仕様のバージョン1.3をオープンソースで実装したもの。J2EEサーバソフトウェアは、大規模ウェブサイトなどのカスタム業務アプリケーションの運用に利用されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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