米ブロードコムを脅かす米インテルの包囲網

 サーバ用チップセット市場で優位に立つ米ServerWorksの事業は、親会社Broadcomの売上のなかでも重要な部分を占めている。だが、米Intelの攻勢を受け、その地位が弱まりつつあると、業界アナリストが語った。

 チップセットは、プロセッサと、メモリ、ネットワークやその他のコンピュータサブシステムとをつなぐものだが、ServerWorksはサーバ用チップセット市場を支配するメーカーである。ところが、Intelがこの分野への進出を開始しており、さらに2004年に登場予定の「Lindenhurst」および「Twin Castle」という2つのチップセットが、ServerWorksに対して大きな脅威となると、アナリストが述べている。  

 「Intelは、サーバ用チップセット市場でさらに大きなシェアを獲得しようと、ますます積極的になっている」と米IDCのMark Melenovskyは語った。

 いっぽう、U.S.Bancorp Piper Jaffrayのアナリスト、Ashok Kumarは28日(米国時間)に、Intelプロセッサ搭載サーバの最大手である米Dellと米Hewlett-Packard(HP)が、来年発表するサーバにLindenhurstとTwin Castleを採用することで、それぞれ合意に達したと語った。加えて、IBMでも2004年サーバモデルにLindenhurstを搭載する予定という。

 こうした動きを受けて、アナリストはIntelのこの販売キャンペーンが成功を収めると予想している。CIBC World Marketsが先週発表したレポートによれば、サーバチップセット市場におけるIntelのシェアは、「年末までには25パーセントから30パーセントに達する」という。

 チップセットは、サーバ製品のなかでも利益を得られる数少ない分野の1つだ、とIDCのMelenovskyは説明する。

 さまざまな理由から、チップセットはサーバに欠かせない重要なコンポーネントとなっている。たとえば、メモリ、ハードディスク、ネットワークなどの重要なサブシステムに関して、チップセットはそのパフォーマンスや信頼性に大きな影響を与える。また、多くのチップが同時にシステムリソースを求めて競合し合うマルチプロセッサシステムの構築においても、チップセットは鍵を握る。また、PCI ExpressやPCI-X 2.0のような新しい高速インタフェース を市場に登場させる時にも、チップセットが重要な役割を果たす。

 Intelにとって、Twin Castleはサーバ向けの4プロセッサ用チップセット市場に初めて参入する重要な新製品だ。同社の現行製品であるE7501「Plumas」やE7505「Placer」チップセットは、Lindenhurstと同じくデュアルプロセッササーバ向けに設計されている。

 Twin Castleは、Intelの新プロセッサ「Potomac」で動くように開発されている。Potomacは、90ナノメートル製造工程を使って開発されるXeon MPプロセッサの1つで、マルチプロセッサマシン用に開発された初めてチップ。いっぽう、Lindenhurstは、これも90ナノメートルの製造工程でつくられる同社のデュアルプロセッサシステム向けチップ「Nocona」Xeon DPと組み合わされる。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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