米Hewlett-Packard(HP)は23日(米国時間)、スウェーデンのインタラクティブ音声製品メーカー、PipeBeachを買収したと発表した。
HPではPipeBeachの技術を同社の通信ソフトウェアに統合する計画だという。同社は、PipeBeachの技術を統合して機能を強化することにより、通信サービスプロバイダやネットワーク機器プロバイダ、独立系ソフトウェアメーカーなどが開発プロセスを簡素化したり、音声拡張マークアップ言語(VoiceXML)ベースのアプリケーションを利用したりできるようになる、と話している。
HPはこの買収によって、成長中のインタラクティブ音声技術市場のシェア拡大を期待している。契約の金銭的条件は明らかにされていない。
PipeBeachは、ユーザーが携帯電話から音声でコマンドを入力し、ニュースや株価情報、電子メールなどをインターネットから受信したり、オンラインバンキングなどの取引を行なえるようにするソフトウェアを開発している。
HPは、自社のOpenCall SpeechWebアプリケーションとPipeBeach製品とを組み合わせることにより、顧客サービスコストの削減に役立つ音声ポータルの成長に勢いをつけたい考えだ。HPによれば、消費者は人間のオペレータに基本情報や助けを求めるよりも、電話で音声コマンドを使って情報を閲覧するようになってきており、また通話1件あたりのコストも、人間が応対するヘルプデスクの場合の約5ドルから、音声による自動サービスでは約50セントにまで削減されるという。HPは声明のなかで、米SRI Consulting Business Intelligenceのデータを引用し、コンサルティングやシステムインテグレーションなどの音声サービス技術の支出は、2005年の200億ドルから、2007年には400億ドルに成長すると述べている。
コンピュータの音声コマンドへの対応は、ハイテク業界ではますます注目を集める課題となっている。米Microsoftは今月、サーバの音声コマンド処理を改善する同社のソフトウェア、Speech Serverの初の公開ベータをリリースした。同社はまた、Speech Applicationソフトウェア開発キットの第3テストバージョンもリリースした。一方、米IBMでは研究所とサービス部門が、大企業向けの音声ベースアプリケーションの見本品製作に取り組んでいる。
HPのOpenCall SpeechWebでは、電話ネットワークとVoiceXMLアプリケーションをホストしている標準ウェブサーバとが、音声認識技術とテキスト音声変換や音声プロンプトを使って通信する。同製品は約40カ国語に対応している、とHPでは説明している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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