人気ファイル交換ソフトウェア KaZaA で知られるオーストラリアのSharman Networksには、レコード会社や映画会社を反トラスト法違反で告訴することは出来ないとの判決が、連邦地裁によって下された。
連邦地裁判事Stephen Wilsonは7月2日付の判決で、大手エンターテインメント企業は結託して、競合しそうなオンライン企業を廃業に追い込んでいるとのSharmanの主張に対し、同社にはそのような主張をする資格がないとして却下した。Sharmanは、オンラインで映画や音楽を提供しているわけではなく、個人向けのデジタルファイル交換ソフトを配布している会社だ、とWilsonは述べている。
「Sharmanは競合会社でも、制限された市場の顧客でもない。そしてこの業界が、Sharmanが主張する競争抑止的な体制になるのは偶然的で、必ずしもそうなる必然性はない」と、Wilsonは判決文に記している。
エンターテインメント業界は昨年、米Napsterを包囲し黙らせたのと同様の訴訟にSharmanを引きずり込んだ。映画会社やレコード会社は、Sharmanに対し、KaZaAユーザーが音楽や映画ファイルの無許可ダウンロードを行なえるようにして著作権に違反したと訴訟を起こした。
Sharmanはこれを受けて今年2月、エンターテインメント業界が共謀して、SharmanがKaZaAネットワーク上で著作権保護機能つきデジタルメディアを提供するのを阻止しようとして、シャーマン反トラスト法(Sharman Act)に違反したと逆告訴した。訴状によると、Sharmanとパートナー企業の米Altnetは、オンライン配信用の著作権保護機能つきコンテンツのライセンスを獲得しようと再三試みたが、さまざまなレコード会社や映画会社から何度も拒絶されたと言う。米Brilliant Digital Entertainmentの子会社であるコンテンツ配信サービス会社Altnetは、Sharmanの訴訟の原告には含まれていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス