映画スタジオのDreamWorksが、最新アニメーション作品の「Sinbad: Legend of the Seven Seas」でLinuxの利用を拡大している。
同スタジオは、Hewlett-Packard(HP)と提携し、アニメ「Shrek」の製作時にLinux採用に踏み切り、ローエンドのHPサーバを利用して、詳細なカラーやテキスチャでスケルトンイメージを肉付けする処理負荷の高いレンダリング作業を高速化した。DreamWorksはさらに、「Spirit: Stallion of the Cimarron」では、最初のイメージ作りにアニメーターが使用するワークステーションにまで、Linuxの利用を拡大した。
HPのパーソナルワークステーション事業部で製品マーケティングディレクターを務めるJeff Woodによると、今週全米公開予定の「Sinbad」では制作作業のすべてにHPのLinuxワークステーションとレンダリングサーバが使われたという。
DreamWorksは、現在Linuxとの関わりを一段と深めている。同スタジオでは、「Shrek 2」の製作にLinuxで動作するHP x4000ワークステーションを使っており、また新しいxw8000も数台追加されることになったと、Woodは明かした。また、DreamWorksで製作中のもう1本の新作「Shark Slayer」でも、xw8000システムが採用されているという。
Woodの話では、同スタジオでは1000台のHP Linuxワークステーションが稼動しているが、「Sinbad」にはそのうちの約250台が投入されたという。これらのシステムに加え、同社にはレンダリング処理用としてローエンドの1.75インチ幅HP Linuxサーバ数百台が、ラックマウントに設置されているという。
SGIなどのベンダーが販売する高価なマシンではなく、Intelチップ搭載のワークステーションで動作するLinuxは、デジタル化の進むハリウッドの要求を満たすOSとして人気が高まっている。デジタルアニメーション制作会社としては、ほかにもIndustrial Light and Magic(ILM)やPixarなどが、Intel-Linuxシステムを採用している。
当初、Linuxはアニメーターのワークステーションで毎秒3フレームしか描画を処理できず、DreamWorksの要求を満たしていなかった。ところが、HPが同オペレーティングシステムを最適化してデュアルのグラフィックスカードなどが使えるように仕様を変更した結果、同じシステムが毎秒46フレームの描画能力を持つようになったと、HPのWoodは言っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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