米IBMと米Hewlett-Packard(HP)は、2004年からPCI-X技術を自社サーバ製品に組み込むことを発表した。プロセッサをI/Oシステムやメモリとつなぐ新しいPCI-X対応チップセットには、米Broadcomの子会社ServerWorksの製品を用いる。
PCIはネットワークアダプタやサウンドカードをパソコンに接続するための代表的な規格。PCIの高速版であるPCI-X技術は、高速ネットワークや外部接続を必要とするサーバに利用されている。IBMやHPによると、旧バージョンのネットワークカードを新システムで利用できる点がPCI-Xの魅力だという。
サーバ・メーカーらは現在PCI-X 2.0技術に注目している。PCI-X 2.0には、PCI-X 266やPCI-X 533などのバージョンがあり、前者は今からおよそ1年後に、後者は2004年末までに市場に登場する見込みだ。
しかし、業界全体がPCI-X技術を熱烈に支持しているわけではない。Intelサーバ市場でHPに次いで第2位の米Dell Computerは、PCI Expressと呼ばれる別の規格を推している。PCI Expressは異なるハードウェア接続を必要とする。つまり、PCI Expressスロットでは古いPCIカードを利用できないが、同じソフトウェアの再利用は可能。
PCI-XとPCI Expressは両立しないわけではないが、1台のマシンに両技術を搭載するのは難しい。コストが高くつく上、貴重な筐体スペースを犠牲にしなくてはならないからだ。
PCI Expressは、設計上PCI-Xより優れているため、長期的にはPCI Expressが生き残るとみられる。PCI-Xはパラレル設計で、高速になると信号の同期が困難になる。一方、PCI Expressは独立した少数の高速ワイヤを用いるシリアル設計を採用している。また、「PCI-Xは高速化のために製造段階での高度な品質管理が必要となり、費用がかさむという問題を抱えている」(米Gartner DataquestのアナリストのJames Opfer)。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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