最新のSobig系ウイルスが米国時間6月26日時点でも猛威を振るっており、大量メール送信型コンピュータウイルスがいかに厄介であるかを改めて思い知らせている。
電子メールサービスプロバイダーのMessageLabsによると、「Sobig.E」というこのウイルスは過去24時間に、主に米国のコンピュータユーザーに影響を与えてきた。電子メールメッセージのフィルタリングを行い、クライアントへのウイルスやスパムを除去している同社では、Sobig.Eに感染したメッセージの70%が米国から発信されたものだと報告しており、18%は英国が発信元だという。
Sobig.Eはかなり広域に感染しており、最も多く目にする添付ファイルとしてMessageLabの日別リストでトップに躍り出ている。しかし、その感染範囲は、発生から24時間で3万2000通近くの電子メールに添付されて広まったBugbear.Bなどの最近のウイルスには及ばない。Sobig.Eが添付されたメールの数は2万5000通に満たないという。
ウイルス対策ソフトウェアベンダー各社は、このウイルスの感染速度にそれほど強い懸念は示していない。セキュリティソフトウェアベンダーのSymantecでは、同ウイルスの危険度を5段階評価で中間の「3」まで引き上げている。ライバルのRival Network Associatesでは同ウイルスの危険度を「中程度」にしている。
Sobig.Eは、ほかの各種バージョンと同様に、「Re: Movie」もしくは「Re: Application」といった件名で受け手の受信箱に送られてくる。メッセージ本文には「Please see the attached zip file for details」(「詳細は添付のzipファイルを参照下さい」)と書かれている。悪質なプログラムは、このメッセージに添付された80Kバイトのファイルの中に組み込まれている。そして、添付ファイルを開くとMicrosoft Windowsオペレーティングシステムが動作するどのPCにも感染してしまう。
同ウイルスはWindowsのアドレス帳やインターネットキャッシュなど、コンピュータ上の複数の異なる場所から電子メールアドレスを集め、それぞれのアドレスに電子メールを送信する。このウイルスはさらに、感染したメッセージがほかのだれかから送信されたように見せるため、適当に選んだ電子メールアドレスを使ってメッセージの送信元も偽造してしまう。
このウイルスには企業よりも家庭のユーザーが大きな影響受けているという。Symantecのセキュリティ対策チームシニアディレクター、Vincent Weaferによると、このウイルスを報告してくるのは家庭ユーザーの方が十倍も多い。
「この数字はSobig系のほかのウイルスの例と一致する」(Weafer)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス