ウェブ標準化団体World Wide Web Consortium(W3C)は今週、主要Webサービスプロトコルの1つであるSimple Object Access Protocol(SOAP)バージョン1.2を、正式標準として承認したと発表した。SOAPはWebサービスソフトウェアの構築のベースとなる、いくつかの業界標準の1つだ。
SOAPプロトコルは数年前、別の標準化団体Internet Engineering Task Force(IETF)で、いわゆるRPC(remote procedure call)を実行するための情報ドキュメントとして始まった。その後、米Microsoftが、ビジネスソフトウェアアプリケーションをそれがベースとしているプログラミング言語によらず、ウェブ上で通信できるようにするプロトコルとして、SOAPに積極的に取り組み始めた。
SOAP勧告がリリースされたことにより、企業の商用ソフトウェア開発者や情報技術者は、W3CのSOAPの定義に準拠している限りは、互換性の心配をせずに標準を利用できるようになる。
W3Cでは、SOAP 1.2は数字上はバージョン1.2だが、ある意味、最初のバージョンなのだと強調している。
「バージョン1.0から1.1では大幅な技術的変更があったが、SOAP 1.1を批准した独立組織は1つもなかった」と、W3C代表Janet Dalyは電子メールでのインタビューで述べている。「SOAPバージョン1.2は、あらゆる独立組織に開発・再検討されるべき、初のSOAP仕様だ。最初のSOAP標準、と言ってもよいだろう」(Daly)
またW3Cはこのチャンスを利用して、商用アプリケーションがウェブ上で通信・相互作用を行なうのに必要なインフラを決定する、Webサービス標準の調停者としての役割を強調している。
「堅牢な技術的基盤が共有され、期待される性能を発揮して初めて、Webサービスは、相互運用可能なアプリケーションとしての期待に添うことができる」とウェブの発明者でもあるW3C理事Tim Berners-Leeは、声明で述べている。
W3Cは、特許権で保護され、利用料が発生する知的所有権を標準で採用することを厳しく制限しているため、一部メンバーの敵意を買っている。
またW3Cはここ数年、Webサービスを実装しようとしている企業のニーズを軽視しているという批判を浴びて苦しんでいた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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