カナダのグラフィックスLSI(GPU:Graphics Processing Unit)メーカーATI Technologiesは米国時間6月23日、米Intel製プロセッサ搭載機のグラフィックス性能を引き上げる統合型チップセットを2種類発表した。デスクトップパソコン向けのRadeon 9100 IGPと、ノートパソコン向けのMobility Radeon 9100 IGPだ。
ATI幹部によると、Radeon 9100 IGPでは、これまで以上にグラフィックス処理エンジンを強化したという。「ライバル製品と比べて約6倍以上のグラフィックス性能を発揮する」(ATI)
ここ2〜3年のあいだ、パソコンメーカーは統合型チップセットを採用して、グラフィックス機能を低価格パソコンに組み込み始めている。しかし、チップセット自体のグラフィックス性能が比較的低いため、一般的にこれらの低価格パソコンでは最新ゲームを実行できない。ATIは「Radeon IGPにより、パソコンメーカーはわずか500ドルで、ゲームや映画編集などの画像処理が行えるマシンを提供できる」と述べている。
それでもなお、ATIは厳しい戦いを迫られることになる。Intelプロセッサを搭載したデスクトップパソコンやノートパソコンの大半は、チップセットもIntel製を使用するからだ。また、台湾のVia TechnologiesやSilicon Integrated Systemsなどのチップセットメーカーも、Intelプロセッサ搭載デスクトップパソコン向けにチップセットを提供している。
さらに、ATIのライバルである米Nvidiaは、米Advanced Micro Devices(AMD)のAthlonプロセッサ向けチップセットnForceで、多くの大口顧客を獲得している。例えば、米Hewlett-Packard(HP)は、nForceとAMDプロセッサを搭載したデスクトップパソコンを製造している。
ちなみにATIは、「AMDプロセッサ搭載パソコン向けには、引き続き現行のRadeon 320チップセットを提供する」という。
Radeon 9100 IGP、Mobility Radeon 9100の価格は明らかにしていないが、出荷は今夏を予定している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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