日本の警察が、外国人にも対応可能な顔識別技術を開発へ

 外国人犯罪者の顔の識別という困難な壁に直面した日本の警察の研究者が、オーストラリア人を使って、自ら開発した顔認識技術のテストを行った。

 日本の警察は、オーストラリア人科学者たちに、外国人を識別できる顔認識技術の開発支援を要請した。

 警察の話によると、典型的な日本人の特徴に合致しない外国人容疑者への対処が、困難になりつつあるという。外国人容疑者の割り出しが困難である上に、犯罪の目撃者が、並んでいる数人の中から犯罪者を特定するのも難しかった。この問題を解決するため、日本の科学警察研究所(NRIPS)とNECが共同で3次元顔認識システム「Fiore」を開発した。

 しかし、特定の特徴を判別するようにプログラムされた日本警察の顔認識技術は、設定されている特徴と大きく異なる特徴を持つ人々の判別を行う際に、多くの問題が発生する可能性がある。とりわけ、異なる角度から撮影された顔写真から人物を特定しようとする場合に、その問題はさらに深刻度を増す。

 NRIPSでは、同プログラムを外国人にも適応可能にするため、メルボルン大学歯科学部の口腔解剖学、医学、外科(OAMS)部門と手を組んだ。

 「同プログラムは、日本人と同じ皮膚の色と顔の形をした人々の判別用に作られた」と、OAMSの鑑定官兼法律文書係であるSherie BlackwellはZDNet Australiaに語った。「あるアフリカ系アメリカ人の男性に協力してもらいテストを行ったが、彼の皮膚の色が濃すぎたため、この装置では彼を認識できなかった」(Blackwell)

 今回のテスト結果はNRIPSに送られるが、この装置の次期バージョンでは、より幅広い人種を認識できるようになるはずだ。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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