NTTドコモは20日、今週発表したFOMA対応の新機種F2102VおよびN2102Vの販売開始にあわせて、クライアント認証サービスFirstPassを提供開始すると発表した。「モバイルインターネットの普及に伴い、個人認証による高いセキュリティの確保が求められている。FirstPassはSSLクライアント認証をFOMA端末で実現し、従来のパスワード認証に比べてなりすましのリスクを軽減することができるものだ」(NTTドコモMM事業本部エマージングビジネス部担当部長、中村典生氏)
FirstPassはPKI(Public Key Infrastructure、公開鍵暗号基盤)技術を使用し、FOMA契約の際に割り当てたユーザー証明書を高いセキュリティで保護されたFOMAカードに格納するもの。ユーザーはFOMA契約の際に顧客情報をすでにドコモに提供しているため、証明書発行の際にあらためて顧客情報を入力する必要はない。また、これまで利用するサービスごとに複数のIDやパスワードを管理する必要があったのが、FirstPass対応サイトにユーザー証明書を送信するだけでインターネットに安全に接続することができる。
NTTドコモMM事業本部エマージングビジネス部担当部長、中村典生氏 | |
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FirstPassの利用例としては、「企業イントラにリモートアクセスする必要がある場合や、iアプリでスケジューラーやメールなどの業務用アプリを利用する場合など、まずは企業向けのサービスが中心となるだろう」(中村氏)としているが、カード会社の請求書情報照会やモバイルバンキング、オンラインショッピングなどで決済を行う場合など、個人用途にも普及させていきたい考えだ。
同サービスの利用料は無料で、通信時のパケット料のみで利用できる。いっぽうサービスプロバイダや企業など、FirstPassの提供側は申し込み時に登録事務手数料3000円が必要となる。
なお、FOMAの既存端末は証明書を読み出す機能が搭載されていないため、同サービスには未対応。対応機種となるF2102VおよびN2102Vの発売時期は未定だが、今後発表されるFOMA端末には同機能が標準搭載されるとのことだ。
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