ソフトウェアメーカーを立往生させる米マイクロソフト

 元Microsoft社員のシェアウェアデベロッパーが、自ら開発したホームネットワーキングソフトウェアを販売する権利を巡って古巣の会社と法廷で争うことを表明している。

 Microsoftが、代理人を務める弁護士を通じて、先週販売差し止め命令を送付したEsiod Systemsは、Siddhartha RaoとCaleb Doiseという元Microsoftの開発者2人が今年初めに設立した、ワシントン州モンローに本社を置くソフトウェア会社。Microsoftの命令は、Esiodに対して、同社が今週発売を予定している低価格のシェアウェアアプリ、Schnazzleの販売を中止するよう要求している。

 Microsoftの主張によると、ホームネットワークに接続したPC同氏で、音楽や写真といった各種メディアを共有できるようにするSchnazzleは、Microsoftが計画中の技術と酷似しており、Rao、Doiseの二人がMicrosoft入社時に署名した、雇用契約の中にある競争行為を禁じる条項に違反するという。同社標準の雇用契約では、退社してから1年間は、Microsoftで得た知識を使って競合製品を開発することが禁じられている。

 Microsoftの命令によると、SchnazzleはPCがワイヤレスで映像・音楽等のファイルを別のデバイスにストリーミングできるようにする、Windowsオペレーティングシステムが搭載予定の拡張機能と競合するという。 

 Microsoftの代理人は、書簡の送付を事実と認めた上で、同社がEsiodと交渉中であることを明らかにした。

 「自社の知的財産権を保護するために、同社と交渉を進めている」(Microsoftの代理人)

 EsiodのRaoの話では、自分もDoiseも、書簡にあるようなMicrosoftのプロジェクトに関するコードを目にする機会はなかったし、自社のソフトウェアは完全に異なるネットワーク処理手法を採用しているという。

 「Schnazzleは、自分たちが考え出した独自の特殊なプロトコルを使っている。これによって生まれた、セキュリティと結合性の非常に高いピア・ツー・ピアネットワークは、Microsoftの話の内容とは全く関連する部分がない」(Rao)

 Raoは、Schnazzleの発売を一時見合わせることには同意したが、同アプリケーションのソースコードを引き渡すよう求めたMicrosoftの請求については争うという。

 「手持ちの現金が底をつくまで戦い抜く。しかも、家族がいくらでも現金を貸してくれるだろう。Microsoftのように力にものをいわせようとする企業には、絶対に自分たちのビジネスを自由にさせない」(Rao)

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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