米Hewlett-Packard(HP)は米国時間6月9日、POS端末のHP rp5000を発表した。HP rp5000は、基本的にはパソコンベースのキャッシュレジスタとなる。出荷は今夏の予定。
HPは、2002年5月に行われた米Compaq Computerとの合併以降、小売り市場で19億ドルにのぼる収入を生みだしているが、独自のPOS端末をリリースするのは今回が初めて。
小売り業界は、今最もIT企業の注目を集めているニッチ市場だ。米IBMと米Intelはいずれも専門チームを結成し、同市場向けの製品開発にあたっている。小売り市場は、パソコンベースの端末、サーバ、ソフトウェア以外にも、無線ネットワークや在庫管理に使用するRFID(無線自動識別:Radio Frequency Identification)タグなど、最新技術の大幅な導入が期待される。
HPの広報担当者のTiffany Smithは、HP rp5000を「プロプライエタリな技術をベースとするPOSシステムより廉価な代替製品として宣伝していく。さらに、通常のデスクトップパソコンを組み合わせた端末より操作が簡単な点も魅力だ」と語る。
HP rp5000の基盤となるパソコンは、同社のD530 Business Desktop。IntelのPentium 4プロセッサや米MicrosoftのWindowsなど、通常のパソコン部品を使用する。一方で、冷却システムの強化や、バーコードスキャナなどの周辺機器を接続する予備ポートの装備など、機能の拡張も図っている。OSはWindows 2000、Windows XP Professional、Windows XP Embeddedのいずれかを選択できる。Windows XP Embeddedは、ATMやキャッシュレジスタなどの組み込み装置に特化している。
ただし、POS端末の市場には数多くのメーカーがすでに参入しているため、HPにとって地位確立は容易ではない。IBMや米NCRはすでに何年も前からPOS端末を開発している。IBMもHPと同様、POS端末と広範な技術製品やサービスを組み合わせて小売り業者向けに販売している。
HP rp5000の価格は「1000ドル未満の予定」(Smith)である。ただし、この価格に含まれるのはPOS端末のみで、スキャナー、レシートプリンタ、現金引き出しなどの装置は別途料金がかかるという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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