英リバプール大学、米デルのコンピュータクラスタを導入

 英国のリバプール大学物理学部は、米Dell Computerの高機能コンピュータクラスタを研究用に導入する。同クラスタは、米Red HatのLinuxを搭載した940 Dell PowerEdgeサーバで構成する。宇宙の起源を調べるための分子衝突のシミュレーションなどの研究に利用する。また、同大学では、同クラスタをコンピュータグリッドに接続し、病気の蔓延の測量にも利用する予定だ。

 同クラスタの価格は未公表だが、リバプール大学の厳しい予算内に収まる価格だという。また、狭いスペースにも設置できるなどの基準も満たしている。クラスタが稼動を開始するのは7月からで、当初は同大学が所有する300台のコンピュータとサーバを組み合わせて利用する。

 クラスタリングとは、通常のコンピュータやスイッチ、記憶システムなど、複数のマシンを接続して、あたかも1台のコンピュータであるかのように動作させる技術。高機能コンピュータクラスタは、低価格で高いコンピュータ処理能力を提供できるため、企業やリバプール大学のような組織で人気が高まっている。

 クラスタは、コンピュータ処理を多数のノードやサブシステムに分配するというスーパーコンピュータと似たような方法で動作する。スーパーコンピュータが基盤とするプロセッサやサブシステムは、開発に費用がかかり需要も小さいため、高価なシステムとなる。一方、クラスタは米Intelや米AMD製プロセッサを搭載したコンピュータを利用するため、費用が安く抑えられる。なお、スーパーコンピュータが得意とするのは、1回の計算が他の結果にも影響を及ぼすような、気象予報などのタスクだ。

 市場シェアの拡大にとどまらず、今後数年間で売上倍増を狙うDellは、サーバ事業にも注力している。同社は性能と組み立てやすさの点から、顧客企業にコンピュータクラスタを推奨している。また、クラスタの性能調整のために特別の研究開発も行なっている。

 Dellは他にも、多数の企業や組織にクラスタを構築している。たとえば、バッファローのニューヨーク州立大学のクラスタは、2000台以上のDell PowerEdgeサーバで構築した。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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