かつてはビジネスパートナーだったSuSEとSCO Groupは5月28日(現地時間)、それぞれ強気な業績見通しを発表した。
Linux ディストリビューターの 独SuSE Linuxでは、28日に同社CEOのRichard Seibtが、2004年の第2四半期は黒字になるとの見通しを、インタビューの中で示した。一方、最近黒字転換に成功したSCOは、Linux市場を捨てUNIX関連の特許権の行使に力を入れることにで、さらに利益増が見込めるとしている。
かつてSuSEとSCOは、共にUnitedLinux コンソーシアムの構成メンバーだった。当時、SuSE を除くSCOほか2つのメンバー企業は、他のIT企業にLinuxコミュニティへ参加しやすくするために、SuSE Linuxを使用することに合意していた。SuSEでは、この合意に基づき、SCOから約15人のLinuxプログラマーを雇い入れ、SuSE Linuxソフトの出荷数に応じて代価を受け取っていた。
その後両社は、互いのLinux計画の違いを理由に決別することになったが、それぞれ成功を願う点では共通している。
「第3四半期から利益を出す。(ここ数期連続して保守管理/サポート契約から利益が出ており)2004年の第2四半期には黒字転換も可能と見ている」(Seibt)
SuSEは、地元ミュンヘン市当局との契約獲得を期待しており、これを利益増につなげたい考えだ。ミュンヘン市は、市職員が使用するデスクトップパソコン1万4000台に搭載されているOSを、Microsoft のWindowsからLinuxに変更する計画を公表している。
しかしこれまで多くのLinux 企業にとって、Seibtが最優先課題として掲げる黒字転換は、決して簡単なものではなかった。SuSEの最大のライバルであるRed Hatは2002年11月30日締めの四半期に、他社に先駆けて黒字化に成功したが、次の四半期には再び赤字に転落した。
SCO(旧社名:Caldera International)は、Linux販売で業績を伸ばし、2000年には株式公開を実施して7000万ドルを集めるところまでいったが、その後Santa Cruz Operationから取得したUnix製品販売を優先するために、Linux関連ビジネスのほとんどを放棄。また、同社のUnix関連の企業秘密を不正流用したとして、IBMを告訴した。さらに、同社ではUnixのコードの一部がLinuxに不正に使用されていると主張し、今月はじめにはLinux製品販売事業から撤退している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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