英Vodafone傘下の日本テレコムホールディングスが、2003年3月期(2002年4月〜2003年3月)の連結決算を発表した。売上高は前期比5.5%増の1兆7970億円、経常利益は同267.2%増の2720億円、最終損益は前期の660億円の赤字から800億円の黒字に転換した。
同社は2002年8月1日、会社分割により新設した100%子会社の日本テレコムにほぼすべての営業を承継し、持株会社体制に移行した。これに伴い、社名を日本テレコムホールディングスに変更、当期は、固定通信事業子会社の日本テレコムと移動体通信事業子会社のJ-フォンを中核事業とし、子会社の再編、経営資源の集中に取り組んだという。
当期の売上高を事業別にみると、固定通信事業が前期比6.2%減の3849億円だったのに対し、移動体通信事業が同8.4%増の1兆4604億円と伸びた。これに、J-フォンと日本テレコムにおけるコスト削減効果が業績改善に大きく貢献したという。
J-フォンでは、技術部門と管理部門の合理化を推進し、全社的規模で合併効果を顕在化させたという。これによりJ-フォンの営業費用は前期比3.8%減の1兆2132億万円に縮小した。またJ-フォンの1件当たり新規獲得費用も削減し、前期比で6%減った。さらにVodafoneのグループ力により、携帯電話端末やその他機器の調達コストの削減も実現できたという。
同社は、今期(2003年4月〜2004年3月)業績の見通しについても明らかにした。売上高は1兆8650億円となる見込み。第3世代移動体通信サービスの本格的なサービス開始や固定通信事業における広帯域インターネットサービスの普及による需要の拡大が期待できるという。しかし、移動体通信事業関連の設備投資の減価償却などが増加することから、経常利益が前期比21.7%減の2130億円に、純利益が同22%減の620億円となる見通し。
なおNTT地域会社の接続料金の値上げや規制環境の動向など、同社を取り巻く事業環境の厳しさが増していくと予想されることから、今期は、グループ内部の経営資源の効率的な配分、各社事業運営の相乗効果を実現できるよう努めていくという。
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