日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は5月27日、同社のエンタープライズ事業の新戦略「アダプティブ・エンタープライズ戦略」を発表した。
アダプティブ・エンタープライズ戦略とは、顧客企業を取り巻く変化、例えばグローバル競争の加速、企業の統廃合、国際情勢などに対してITインフラを柔軟かつ俊敏に適応できるようにするというもの。ITリソースの仮想化技術による最適化、自動化されたマネージメント技術、連続的で安全なオペレーションを実現するビジネスコンティニュイティ技術の3つを使って実現するという。
競合他社も同様の戦略を掲げているが、この点について代表取締役社長兼COOの樋口泰行氏は「日本HPでは具体的に提供できるサービス、製品をすでに揃えている」として、製品を基にしたソリューションが提供できる点が強みだとした。「他社より1年半は先行している」(樋口氏)という、システム全体の仮想化を図るUtility Data Centerのほか、統合管理ツールのOpenViewシリーズ、無停止型サーバのHP NonStop Serverなどを提供していくという。特にOpenViewシリーズは「Fortune100の全ての企業が導入している」(樋口氏)として、同社製品に対する自信をうかがわせた。
HPではアダプティブ・エンタープライズ戦略に基づき、エンタープライズ向けコンサルティングサービスを強化していく。具体的には、企業の俊敏性を測定するアジリティ・アセスメントサービス、Webサービス技術を適用してアプリケーションの統合・削減を図るアダプティブ・アプリケーション・アーキテクチャ、企業ネットワークを仮想化し、社内外と安全に接続できるネットワークモデルを構築するアダプティブ・ネットワーク・アーキテクチャの3サービスの提供を開始するとしている。
また、会見では代表取締役会長兼CEOの寺澤正雄氏が、HPとコンパック・コンピュータの統合成果について説明した。統合によるスケールメリットを背景に低価格帯のIAサーバやパソコンを販売したことで、日本での市場シェアが上がったという。特にIAサーバは2002年10月〜12月期のシェアが約13%であったのに対し、2003年1月〜3月期には約16%へと回復し、首位のNECとの差が大幅に縮まったとしている。同社では「今年度はいよいよ市場に対して攻めに転じる」(寺澤氏)と話しており、大規模なキャンペーンなどによって市場への訴求を強めていく方針だとした。
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