マイクロソフトの.Netは「IT業界の公害の元凶」:米ピープルソフトCEOが語る

 米PeopleSoft社長兼CEOのCraig Conwayは、オーストラリアのシドニーで開かれた同社主催の会議において、米Microsoftの.Netを「IT分野版の公害の元凶」と述べた。

 Conwayは「世界経済の不況により、企業はIT支出の抑制を余儀なくされている」と語り、効率的なコスト構造を達成する手段として「エンタープライズアプリケーション向けの、Linuxベースのサーバ中心型運用環境」を提唱した。

 Conwayは、200社を超える顧客や提携企業を前に、PeopleSoftの全アプリケーションをLinuxに移植する計画を明らかにした。「Linuxは現在幅広い支持を得ており、企業にとって欠かせないアプリケーションを提供できる準備が整った。IT業界を牛耳るMicrosoftに対抗するには、Windowsの代わりとなるOSの存在が必要だ」(Conway)

 Conwayは「Microsoftの.Net戦略は、企業がエンタープライズアプリケーションにかけるコストの削減には役立たない。なぜなら、アプリケーションのコードがPC上で実行されることを前提としているからだ。.Net戦略は、インターネット上でアプリケーションを開発・配信するインフラとして、Microsoft製のOSやソフトウェアの導入を促進する目的のもの」と付け加えた。

 「よく知られているように、エンタープライズソフトウェアをPC上で動かすのは、ばかげた考えだ。ちょうど公害を引き起こしたアスベストみたいなものだ。.Netは自分の手で公害の元を作り出すレシピ。エンタープライズソフトをPC上で動かすべきではないというのが、PeopleSotの断固とした考えだ」(Conway)

 さらに同氏は、「ミドルウェアは必要ない」と述べる。「企業はいやいやながらミドルウェアに投資している。ミドルウェアが予算を食いつぶしているため、収益増加につながる可能性のある新しいインフラに投資できないのだ」(同氏)

 Conwayによれば、PeopleSoftの企業向けソフトウェアは、ドイツのSAPや米Oracleなどが提供する競合ソフトウェアとの統合機能を備えており、それが「ミドルウェアの代わりを果たす」という。

 Conwayは「どの業界も成熟すると、顧客の満足度を重要視するようになる。当社は、導入が簡単で廉価な企業向けアプリケーションを提供することで、顧客中心の事業を進めていく」と語った。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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