米IBMは、企業向けの情報管理ソフトウェアDB2 Information Integratorをまもなくリリースする。同ソフトウェアはこれまでXperantoと呼ばれていたもので、複数の情報ソースからさまざまな形式の情報を集め、総合的に管理することが可能だ。
DB2 Information Integratorは、“企業情報用の専用サーチエンジン”のように動作する。同ソフトウェアを使用すれば、「多種多様な情報を保存する際に、大規模な集約型データベースを導入する必要がなくなる。問い合わせ処理を複数の情報源に対して実行し、結果をまとめて表示できるためだ」(IBM)という。
同ソフトウェアはリレーショナルデータベースと組み合わせた運用も可能で、アプリケーションからデータベースへの問い合わせに一般的なSQLを利用できる。IBMは、「XMLベースのデータベース問い合わせ言語XQueryが2004年に確定するのに合わせ、DB2 Information Integratorを同言語に対応させる」という計画も明らかにした。
また同社は、コンテンツ管理システム向けDB2 Information Integratorのリリースも予定している。「このバージョンでは、データベース検索にSQLは使用せず、ドキュメントをより意識した仕組みを採用する」(IBMのDB2データマネジメントソフトウェア担当ディレクターのJeff Jones)
なおIBM以外の企業も、企業情報統合(Enterprise Information Integration:EII)と呼ばれる同種のデータ集約技術に力を注いでいる。例えば米BEA Systemsは2001年に、XMLで検索が行える「Liquid Data」を発売した。米 Microsoftも将来リリース予定のYukon(開発コード名)と呼ぶSQL Serverに、同様の機能を導入するという。また米Nimble Technologyと米MetaMatrixといった、情報統合分野に注力する新興企業もある。
米国のIT調査会社RedMonkのアナリスト、Stephen O'Gradyは、「こうした情報統合技術が成果を上げ始めている理由の1つに経済状況がある」と指摘する。「コスト削減と厳しい経済状況の影響で、企業はできることならば新しいデータベースの購入を避けたいと考えている。より安く簡単に導入できる手軽な技術があれば、企業は間違いなく導入を検討する」(同氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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