DVD複製ソフトウェアを巡る裁判、いよいよ佳境へ

 DVD複製ソフトウェア会社の321 Studiosと映画会社7社とのあいだで争われている、著作権保護を巡る裁判が山場を迎える。米国時間5月15日に、サンフランシスコの米国地方裁判所で審問が開かれる予定だ。

 321 Studiosを訴えているのは、米Metro Goldwyn Mayer Studios、米TriStar Pictures、米Columbia Pictures Industry、米Time Warner Entertainment、米Disney Enterprises、米Universal City Studios、米Saul Zaentz。

 原告側は、321 StudiosのDVD Copy PlusおよびDVD X Copyプログラムの販売差し止めを求めている。これらのソフトウェアはDVDの著作権保護機能を回避してほぼ完全なコピーが作成できるため、違法コピーやその配布を禁じた1998年のデジタルミレニアム著作権法(DMCA)に違反するというのが原告側の主張だ。

 これに対し、321 Studiosは「たとえば正当に購入した著作権対象物のバックアップコピーをとるといった場合に、消費者は著作権保護機能の回避を許可されるべきだ」と主張している。

 これまで、DMCAを適用した訴えが数多く起こされたが、判決は一定していない。2001年11月、ハッカー向け雑誌出版の2600 Magazineは、DVD著作権保護機能の回避に使用できるDeCSSコードの掲載を取りやめるよう命令を受けた。ところが12月には、電子ブックの著作権保護機能を回避できるソフトウェアを販売したロシアのソフトウェア企業Elcomsoftに対する訴訟で、同社の刑事責任は問えないとして原告の訴えが退けられている。

 法律専門家は「321 Studiosのケースは、DMCAがらみの訴訟の中でも困難なものとなる。これまでの訴訟では明白にしなかったこと、つまり、法律で全ての著作権保護機能回避を阻止するのか、あるいは合法として認められる事情があるのかをはっきりさせなければならないからだ」と語っている。

 映画会社の担当弁護士であるRussell Frackmanは、「バックアップコピーにせよ予備コピーにせよ、消費者の行なうコピーはすべて著作権侵害行為であり、許可されるべきではない」と述べている。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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