ソフトバンク、ADSL事業の黒字化は2、3年後

永井美智子 (CNET Japan編集部)2003年05月09日 21時15分

 ソフトバンクは5月9日、2003年3月期(2002年4月〜2003年3月)の決算を発表するとともに、今後のYahoo! BB事業の計画について明らかにした。

 ソフトバンクの2003年3月期の決算は売上高が前期比0.4%増の4068億円となったものの、経常損益は前期に比べ損失幅が680億9600万円拡大し919億円の損失、経常損益は同損失幅が765億円拡大し1098億円の損失、当期損益も同損失幅が112億円拡大して999億円の損失となっている。

 損失が拡大した主な要因は、ブロードバンドインフラ事業の事業拡大に伴う費用負担の増加にある。ただし、孫正義社長によると「ブロードバンドインフラ事業以外への投資はすでに終了しており、同事業を除けばすでに黒字化している」という。

決算について説明する
ソフトバンク孫正義社長

 さらにブロードバンドインフラ事業についても、顧客獲得費を除けば6月には損益分岐点に達する見込みだ。ただし実際には顧客獲得費が1人当たり約3.7万円かかっており、過去の設備投資を回収して実際に黒字化するのは2、3年後になるという。

 NTT東西やKDDIなど同業他社が個人向けの光ファイバー接続サービス(FTTH)に力を入れているが、孫氏は「私自身、100MbpsのFTTHと12MbpsのADSLの両方を使っているが、体感速度はどちらもほとんど変わらない。それならばコストパフォーマンスのよいADSLを主力に据えたほうがよい」(孫氏)として、あくまでもADSLにこだわる姿勢を見せた。

 具体的なサービスとして、ソフトバンクではYahoo! BBの8Mbps、12Mbpsに加えて、新たに24Mbpsを追加する。今年の年末から来年にかけて提供を開始する予定だ。具体的な料金は未定だが、「現行の料金に少々上乗せした程度の料金になる」(孫氏)という。なお、2004年3月末には400万人以上のユーザー獲得を目標としている。

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