Microsoftは8日、同社のMSNおよびHotmailサービス用の新スパム対策ツールを発表した。同社はこの新ツールにより、、契約ユーザーのメールボックスに送りつけられるスパムを、毎日約24億通遮断しているという。
Microsoftによると、MSN 8およびHotmailの契約ユーザーは今週から、スパムを減らす機能として、メール内の画像表示をオフに設定できるようになるという。画像中には、あるメールアドレスが実際に使われているかを確認するための、いわゆる「ウェブビーコン(Web beacon)」が仕掛けられている場合がある。有効なアドレスを探し出そうと、ランダム生成した何千ものアドレスにメールを送る「辞書攻撃」を頻繁に行っているスパム業者にとっては、有効アドレス確認のための重要な仕掛けだ。ビーコンは画像がプレビュー画面に表示されるだけで起動されるため、メール受信者はファイルを開かなくてもターゲット扱いにされてしまう。
今回の発表には、オンラインサービス各社が契約ユーザー獲得の熾烈な競争のなか、自社製品の差別化にスパム対策機能を売り込む傾向がますます強まっている、という背景がある。America Onlineは先週、同社が1日に約20億のメッセージを遮断していると発表した。またEarthLinkは7日、Challenge-Responseシステムによる強力な新スパム対策ツールを発表している。
スパム対策会社のBrightmailによると、迷惑メールの流通量は昨年急増し、現在ではインターネットの全トラフィックの3分の1近くにまで達しているという。2001年半ばには、全トラフィックに占めるスパムの割合はわずか8%に過ぎなかった。
スパム氾濫に悩む企業各社は、スパム送付容疑で業者を訴えたり、メール悪用行為に懲役刑などの厳しい刑罰を課す法律制定を求めるなど、迷惑なオンラインマーケティングにより徹底した対策を講じるようになっている。
EarthLinkは7日、スパム業者を訴えた裁判で1640万ドルの損害賠償を勝ち取った。MicrosoftやAOLも、現在スパム裁判を係争中だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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