米Hewlett-Packard(HP)は、米Intelのモバイルパソコン向け省電力プロセッサPentium Mを、第3四半期に発売するブレードサーバ、ProLiant BL10eに搭載することを明らかにした。
HPのサーバ部門のブレードサーバ担当ディレクター、Sally Stevensはインタビューに答えて、「動作周波数1GHzのPentium Mプロセッサ(開発コード名 Banias)でProLiant BL10eをアップグレードする」と語った。
Pentium IIIのキャッシュメモリが512Kバイトなのに対し、Pentium Mのそれは1Mバイト。またPentium Mは、DDRメモリもサポートする。「(Pentium Mの採用はProLiant BL10eの)性能を高めるのによい機会」(同氏)という。
ProLiant BL10eは、Pentium Mを搭載した各ブレードサーバを1つのきょう体に収め、電源やネットワーク接続といった装置を共有する。つまり、初期のブレードサーバシステムの形態に戻ることになる。こうした技術は米RLX Technologiesなどの新興企業によって開発された。ノートパソコン向けの技術を応用し、消費電力を抑えることで、過熱の問題をなくし、複数のサーバを高密度に収容する。
米Illuminataのアナリスト、Jonathan Euniceは、「“低消費電力で高密度”というブレードサーバの考え方が戻ってきた」と述べている。
ブレードサーバは、企業がインターネットインフラの構築に精力的に取り組みだした時代に生まれた。当時、企業は数多くのローエンドサーバを導入してウェブサイトをホスティングしていた。こうした複数の低消費電力サーバを1つのきょう体にまとめたのが、ブレードサーバである。しかし、米IBM、米Dell Computer、HPなどは、コンピュータ予算の削減という企業の要望に応えるため、より高い費用対効果が望めるブレードサーバに移行していった。今では、Xeonといった、より高性能なプロセッサを2個、あるいは4個搭載したブレードサーバ戦略を展開している。
HPにとってIntelサーバ市場は非常に重要である。2002年、HPはIntelプロセッサ/Intel互換プロセッサ搭載サーバ市場で164億ドルを売り上げ、シェアトップの地位を築いた。同年に米Compaq Computerを買収したのも、Compaqのサーバ製品ラインProLiantを手に入れるのが1つの狙いだったと言われている。しかし、現在のサーバ市場ではIBMやDellがシェアを伸ばしている。Intelに恐怖心を抱いている米Sun Microsystemsでさえ、自社サーバ製品にIntelプロセッサを搭載し、シェア争いに加わっている。
なお、HPは、デュアルプロセッサのブレードサーバ、BL20pを4月の終わりまでに出荷する予定である。Stevensは、「現行の動作周波数2.8GHzのXeonプロセッサを、3.06GHzにアップグレードして出荷する」と述べている。3.06GHzのXeonプロセッサでは、フロントサイドバスが、これまでの400MHzから533MHzに向上する。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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