米Microsoftは米国時間4月23日、米Macrovisionから音楽CD用Windows digital right management技術のライセンスを取得すると発表、音楽業界にまた一歩深く食い込んだ。
Microsoftは過去数ヶ月間に、各レコード会社から出されるコピー防止機能付きCDに、自社のオーディオ関連技術を盛り込むよう積極的に働きかけてきた。米国内では未だこれといった成果はあげていないが、同社はレコード会社側から要望があれば、いつでも実現可能な段階にあるという。
今回ライセンス提供される技術を使えば、PCやMP3プレーヤーでコピー防止機能付きCDをかける際の取り扱いが容易になるので、レコード会社側でもそれだけこの種のCD発売に前向きになるだろうと、Macrovisionは述べている。
CDコピー防止技術を開発する各企業は、デファクト標準としてMicrosoftの技術に歩み寄ってきている。
初期のコピー防止技術を盛り込んだ再生機器では、正規のCDでもそこからコピーをとることが全くできなかった。PCでの音楽CD再生がますます主流になりつつあるなかで、この仕掛けは音楽ファンから不評をかったため、MacrovisionやSunnComm Technologiesなどの開発元では、この問題を回避する方法を探していた。
MicrosoftとMacrovisionとは、Microsoftの開発したWindows Media Audioフォーマットを、この問題回避に使うと一年以上公表してきていた。だが、Macrovisionの最新技術では、代わりに暗号化されたMP3ファイルを使用しており、同社によればこの技術を盛り込んだCDが現在までに世界中で1億枚以上出回っているという。
しかし、Microsoftの技術のほうが柔軟性が高く、たとえば何枚までならCDを複製しCD-Rに焼いていいか、あるいはデジタルコピーをつくったり、それをMP3プレーヤーに転送してよいかどうかなどを正確に指定できる。
Macrovisionからの技術供与を受けることで、Microsoftはこうした技術をレコード会社に売り込めるようになった。また同社は、SunnCommとも今年のはじめに同様のライセンス契約を交わしている。
だが、こうした技術開発陣営の動きにもかかわらず、大手レコード会社側からは、米国でコピー防止機能のつけられたCDがいつ頃から出回り始めるかを示す手がかりは、これといって出されてない。J.P. Morganから先月出された報告では、BMG Music参加のArista RecordがまもなくSunnCommの技術を使ったCDを出すはずだというが、BMGではこれを否定し、まだ各技術の評価中であると述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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