日本AMDは4月23日、64ビットプロセッサOpteron(開発名SledgeHammer)を発表した。AMDはOpteronの投入により、サーバ市場の中でも成長度の高いx86ベースの企業向けサーバ分野に進出する。
Opteronはx86アーキテクチャをベースにしたサーバおよびワークステーション向けの64ビットプロセッサ。既存の32ビットOSやアプリケーション、機器と互換性のある点が大きな特徴だ。32ビット環境で作動するアプリケーションと64ビット環境のアプリケーションを平行して利用することができるため、ユーザーが好きなときに、32ビット環境から64ビット環境に移行することが可能になるという。
なお、64ビットプロセッサとしては、すでにIntelのItaniumがある。しかし、x86アーキテクチャを採用していないItaniumは、32ビット環境とは互換性が低い。また、サポートされるOSやアプリケーションも限定されていることから、64ビット環境へ移行するには障壁が高いという。32ビット環境と互換性のあるOpteron を投入することで、AMDは「サーバ市場に競争原理を持ち込む」(日本AMD取締役の吉沢俊介氏)方針だ。
OpteronはIntelの製品群と競合
AMDの戦略について説明する日本AMD代表取締役社長の堺和夫氏 | |
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Opteron のラインナップは1ウェイサーバに対応したOpteron 100シリーズ、2ウェイサーバまでに対応した200シリーズ、8ウェイサーバまでに対応した800シリーズの3種類。それぞれがIntelの製品群と競合する。Opteron 100シリーズはIntelの「Pentium 4」と、Opteron 200シリーズは「Xeon」と、そしてOpteron 800シリーズは32ビットプロセッサの「Xeon MP」、64ビットプロセッサの「Itanium IA64」とぶつかることになる。「この全ての領域に新しい競争が生まれる」と日本AMDコンピュテーション製品グループ テクニカルマーケティング部部長の小島洋一氏は話す。
なお、Opteron 200シリーズはすでに出荷を開始している。1000個ロット時の単価はそれぞれ、動作周波数1.4GHzのOpteron 240が3万5375円、同1.6GHzのOpteron 242が8万6250円、同1.8GHzのOpteron 244が9万9250円。800シリーズは今四半期後半、100シリーズは第3四半期に出荷される予定だという。
また、デスクトップPCおよびノートPC向けの64ビットプロセッサAthlon 64は2003年9月に発表されることになっている。
Opteronを採用する企業としては、すでに対応を表明していたMicrosoftのほか、IBM やComputer Associates、Fujitsu Siemens Computers、Oracleなどの名前が並んでいる。また、LinuxディストリビュータのRed HatやSuSEなどもサポートを表明している。日本企業では、ターボリナックスがAMDの64ビットプロセッサ対応Linux OSとして「Turbolinux 8 for AMD64」を5月16日に発売することを明らかにした。
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