米IBMは米国時間4月22日、米Advanced Micro Devices(AMD)のサーバ向け新プロセッサOpteronを、自社サーバ製品に採用する意向であることを明らかにした。詳細については公表していないが、IBMは新たに市場投入するサーバ製品系列にOpteronを搭載し、既存のxSeriesサーバと並行して販売していくようである。
IBMがOpteronの採用意向を明らかにしたことで、AMD製プロセッサが企業環境で一気に広まる可能性が出てきた。AMDは長年、企業向けコンピュータの市場で苦汁をなめてきた。製造面や性能面で各種の問題を抱えていたことがその理由である。新技術の導入に二の足を踏むという企業傾向もAMD製品の普及を阻む要因だった。
しかし、そうしたAMDに対する評判は今、変わりつつある。今回IBMがOpteronを採用する決め手となったのは「顧客からのフィードバックだった」(IBMのeServerシステム部門バイスプレジデント、Mark Shearer)という。「企業は64ビットに対応し、比較的高性能で、かつ低価格のサーバを求めている」(同氏)という。
IBM以外のハードウェアメーカーやソフトウェアベンダーもOpteronへの対応を進めている。Fujitsu-Siemensは、Opteron搭載のワークステーションをリリースする予定である。米Sun Microsystemsも導入を検討している。米Microsoft、米Oracle、Linuxベンダー各社も、Opteron向けに最適化したソフトウェアをリリースするという計画を立てている。
AMDはプロセッサの製造技術に関してIBMと協力体制を敷いている。「これにより、かつてAMDを苦しめた製造過程の諸問題を排除できるだろう」とアナリストらは述べている。AMDの経営最高責任者(CEO)Hector Ruizも、「IBMは(Opteronに対して)最大限の時間を費やしてくれている」とし、IBMとの協力体制が強固なものであることを強調している。
だからといって順風満帆が約束されたわけではない。AMDはこれまで米Intelに挑むべく数々の手を打ってきたが、その多くは散々な結果に終わっている。新製品を投入し、はじめはシェアを奪いかけるものの、その後Intelの積極的な低価格攻勢、技術改良に遭い結局は赤字に追い込まれるのだ。AMDはこうした経験を幾度となく経験している。
しかし、AMDはこのことについて次のように説明している。「Opteronの価 格競争力にIntelが対抗するのは難しいだろう。勝算はある」(同社)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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