IBMは先週、プロテオミクス分野で技術開発を行うProteome Systemsと共同で、Charles River Laboratories Internationalに対し、プロテオミクス関連のWebサービス提供を行っていくと発表した。プロテオミクス(proteomics)とは、たんぱく質の構造と役割を解析する手法のこと。生物の細胞で作られるたんぱく質を網羅し、その相互作用などを検証することで、細胞ひいては生物活動の全体像を把握するのが目的だ。この研究が進むことで、医薬品開発や診療などの展開に大きな変化をもたらすといわれている。ヒトゲノムのDNA解析が終わり、ライフサイエンス分野の次なる大きな研究課題として大きな注目を集めている技術である。
また今回の技術提携を受けて、IBMは研究機関のNCBI(National Center for Biotechnology Information)がまとめた情報にアクセスするための無料トライアルソフトウェアの提供も計画している。この情報には、バイオ医療分野の会報誌をまとめたPubMedや、遺伝子配列をまとめたGenBankなどのコンテンツが含まれている。IBMは、科学者などにこのサービスを広く利用してもらうつもりだ。トライアルソフトウェアは、AlphaWorksのページでダウンロード可能となっている。
ライフサイエンスの分野は、IT企業の成長可能な数少ない分野の1つとして注目を集めている。調査によれば、2001年の120億ドルから、2006年には300億ドル規模にまで成長するといわれている。IBMによれば、同社のライフサイエンス部門は最も成長の早い事業だという。2000年に設立され、去年は3桁の急成長を実現した。
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