米IBMは、Webサービス普及の一環として、DNA研究者を対象に検索ツールを無償で提供することを明らかにした。これにより急成長が見込まれる生命科学向け市場での勢力拡大を狙う。
IBMは、米国立医学図書館の生物工学情報センター(NCBI:National Center for Biotechnology Information)のデータベース情報の検索を向上するソフトウェア、Web Services for Life Sciencesの無償トライアルを提供する。AlphaWorksのウェブサイトからダウンロードで入手可能。
NCBIは、生物医学系雑誌の公開文献データベースPubMedと、遺伝子配列データベースGenBankを保持している。これらのデータベース情報は膨大な量に及ぶため、情報検索が困難になっているという。例えばGenBankの場合、2200万件以上のヌクレオチド配列が含まれる。
「研究者はWeb Services for Life Sciencesにより、PubMedで特定の診断に関する遺伝子の絞り込み検索を、GenBankではヌクレオチド配列の絞り込み検索を行えるようになる」(IBM)
またIBMはオーストラリアの提携企業Proteome Systemsと共に、数百万ドル規模の契約獲得を発表した。医薬品の販売や研究開発を手がける米Charles River Laboratories(CRL)に対し、たんぱく質の構造と機能を解析するプロテオミクスに関する技術、ProteomIQを提供する。ProteomIQはIBMのDB2 Universal Database、Tivoliのストレージ/アクセス管理ソフトウェア、pSeries 690サーバなどをベースにする。
ITプロバイダにとって、生命科学は最も有望な市場の1つだ。市場調査会社の米IDCによると、「2001年における生命科学分野のIT投資は120億ドル。これが2006年には300億ドルに達する」(IDC)。IBMが2000年に立ち上げた生命科学部門は、同社の中で最も急速に伸びており、「2002年は3ケタの成長率を達成した」(IBM)という。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」