米MicrosoftがOffice 2003のProfessionalバージョンとStandardバージョンで搭載機能の相違を設けようとしていることから、Webサービス対応など期待の機能の一部は手に入らない可能性が出てきた。
1年以上ものあいだ、Microsoftは「Office 2003でXMLを採用する」と強調し続けていた。ところが同社の計画によると、XMLに対応するのはOffice 2003のなかでもProfessional Enterprise版とProfessional版のハイエンドバージョンのみ。なお、前者はボリューム・ライセンス・プログラムを契約した企業しか購入できない製品である。
さらに、著作権保護技術Windows Rights Management Services(RMS)と、データリスト分析能力を向上させるExcel Listという2つの機能も、XML同様の対応になるという。
MicrosoftのDan Leachは、「顧客と話をして、これらの機能に対する関心やそれが何に使われるかなどについて調べてみたところ、Professional版を購入するような企業顧客にとってもっとも役立ちそうだとわかった」とコメント。「Professional版などだけにXML機能を搭載すれば、(これらの機能を)必要としない顧客は余計な出費を避けられる」(Leach)
しかしアナリストは、「この問題について、MicrosoftはOffice 2003の潜在顧客の意見収集を十分に行っていない」と指摘する。Microsoftが2003年3月に発表したマーケティング資料では、Office 2003の重要な新機能の1つとしてユーザー定義XMLスキーマを目玉として扱っている。
Microsoftが4月初めに公開したOffice 2003のファクトシートによると、Office 2003はProfessional Enterprise、Professional、Small Business、Standard、Basic、Student and Teacherの計6版を用意する。なお同資料では、Professional Enterprise版およびProfessional版がユーザー定義XMLスキーマ、RMS、Excel Listを搭載するとしているが、“そのほかの版がこれらの機能を搭載しない”とは明記していない。
同社はまだ各Office製品の価格を発表していないが、通常、Professional Enterprise版とProfessional版はほかの版よりはるかに高い。XML機能の搭載が一部製品のみに制限されると、顧客はデータの汎用性を高めるために、より高額なOffice製品を購入する羽目に陥ってしまう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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