デル、「売上高600億ドルは射程範囲」

 Dell Computerは積極的な値下げ攻勢によって、過去数年間に市場シェアを大幅に伸ばすことに成功した。同社は収益を着実に増やしており、「売上高600億ドルを達成する日も遠くない」(同社)と、強い自信を示している。

 Dellは、2003会計年度(2002年2月〜2003年1月)の売上高が354億ドル、利益が21億ドルに達した。また米IDCの調査によると、同社は2002年10〜12月に、世界パソコン市場で出荷台数ベースのシェア約16%を獲得し、2位の座についた。1位のHewlett-Packard(HP)との差はわずか約14万台である。

 Dellの幹部は昨年4月に、売上高を前年度の312億ドルから倍増するという遠大な目標を発表した。2003年会計年度の業績は、目標達成に向けたほんの一歩過ぎないという。「目標値は十分に手の届く範囲にある」(Dellの社長のKevin Rollins)

 Dellは売上高600億ドルを達成するために、継続的な市場シェアの拡大を図る。市場シェアを1ポイント増やすごとに、売上高として約20億ドルを手中にすることになる。つまり、目標売上高600億ドルの実現には、市場シェアを約30%獲得する必要がある。

 Dellは戦略として、コスト削減、新製品投入による新事業の開拓、世界市場における足場固めを挙げている。具体的には、2004会計年度に約30億ドルのコスト削減を行い、それを製品価格の値下げにつなげ、顧客の囲い込みを狙う。また、同社主力のパソコンやサーバに加え、ラック型ブレードサーバやネットワーク・ストレージ・システムといった新製品と新サービスの提供に力を入れる考えだ。

 同社は既にさまざまな取り組みを開始している。米国時間4月2日には、Oracleと共同のLinux搭載クラスタ製品を発表した。また、顧客のサーバやストレージシステム導入を支援する、プレミアム・レベル・サービスの提供も開始した。

 アナリストは、Dellの目標を「達成可能」としながらも、IBMやHPといった競合社の猛撃は必至とみる。HPは最近、Dellとの価格競合に向けて、同社パソコンの値下げを敢行した。またIBMは、管理ソフトウェアを提供して、Dell製品との差別化を図っている。

 Dellはこれら競合社と真っ向から対抗する意欲を示している。しかし、「利益を守るためにも、全面的な価格戦争は避ける」(同社)という。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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