「次のバージョンはPhoenixがベースとなる」―AOL Time Warnerのオープンソースブラウザ開発グループであるMozilla.Orgは、新たにPhoenixをベースとした軽量かつ高速なウェブブラウザをリリースすることを明らかにした。同プロジェクトが米国時間4月2日に発表したもの。
今回の新しい計画では、これまでブラウザのインターフェース開発に使用していたXPFEツールキットの代わりに、Phoenixプロジェクトを利用してコードを生成する。PhoenixはXMLベースのユーザーインターフェース言語、XUL(Extensible User Interface Language)を使って記述された簡易版のMozillaで、2002年9月に発表されている。XULは4年前にNetscape CommunicationsとMozilla開発者が発表した言語。プラットフォーム依存の技術ではなく、ウェブの標準技術でブラウザのユーザーインターフェースを作成できる。
XPFEからPhoenixへの方向転換により、これまで批評家やプロジェクト参加者が「重くて遅い」と非難していたMozillaのコードがスリム化することになる。同計画では、基本コードでの機能は減るものの、必要に応じて機能を追加できるという。
Mozillaは、「Phoenixはこれまで以上に軽く、高速で快適だ。なぜなら、Mozillaの各コミュニティがそれぞれ要望する競合機能ではなく、アドオンによる強力な拡張メカニズムを備えているからだ」と述べている。「ユーザーがそれぞれに、多くの異なる機能を欲しがるのは分かっている。だからといって、統合アプリケーションでこれら全ての機能を、変更できない形で組み込むのは適切ではない」(Mozilla)
Mozillaのプログラムが重い、という問題は一時期、プロジェクトにとって頭痛の種であった。4年前、同プロジェクトが始まった時に設定された目標は「軽量かつ高速なブラウズエンジンの設計」だった。しかし、Appleが選んだオープンソースのブラウザエンジンはKDEのKHTMLだった。同社はKHTMLを採用した理由として、「他のオープンソースと較べて軽量だった」と説明している。
このため、Mozillaのオープンソースグループ内外の各プロジェクトでは、Galleon、Epiphany、Camino(以前はChimera)などのMozillaで軽量化をはかっている。ちなみにPhoenixというプロジェクト名は、法的な問題により今後改名されることになる。「問題が解決次第、新たな名前を発表する」(Mozilla)という。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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