皆さん、こんにちは!
今回から連載を開始させていただくネットエイジの西川です。私は約5年前の1998年2月、ネットエイジという会社を創業しました。30歳のころ米国滞在中に起業を志したのですが、実際に起業したのはその約10年後という、遅咲きの起業家です。最初は創業アイデアも資金も起業ノウハウもなく、ただ漠然と「いつか起業して、自分の思い描く理想企業をつくってみたい」という願望だけがあるという状態でした。
しかし常に起業チャンスは探し続け、それなりに潜在意識の中では準備が進んでいたのだと思います。そして、ついにインターネットビジネスという、私にとって空前絶後と思えるビジネスチャンスが到来し、思い切って起業したのです。以来5年間無我夢中でやって、なんとかここまで生き抜いてきました。思えばこの5年は、通常の10年、20年の長さを経験したような、非常に密度の濃い5年でした。
このテーマを選んだのはなぜ?
そんな私が選択したこの連載のテーマは、「起業家というキャリア」です。CNET Japanをお読みの皆さんの多くは、IT系企業のビジネスマン、あるいは技術者ではないでしょうか?ではお聞きします。あなたは、その会社を辞めて起業家になりたい、いつかなろうと思っていますか?起業家というキャリアを考えたことがありますか?起業家とはどういう職業なのでしょうか?どのくらいハードルが高いのでしょうか?どうやったら起業に志せるのでしょうか?そして、もし起業に志ざしたら、具体的に何をどう準備していけばいいのでしょうか?
「経済が時代の動きに沿って常に新陳代謝し、生成発展するためには、起業家が非常に重要だ」との認識のもと、「日本における起業家経済セクターをもっと盛り上げたい」というのが私のライフワークです。日本ではまだまだ起業家候補者が足りません。そこで、優秀なる皆さんにも、ぜひ「起業家というキャリア」を検討していただきたい、それがこのテーマを選んだ理由です。
起業は人生の大きな路線変更です。未知への旅です。そしてその出発点は立志です。本稿では、冒険への恐怖心を捨て去り、踏ん切りをつけて起業に志すというマインドセッティング術や、この3年間で大きくかわった起業ノウハウをご紹介し、よりスムーズに確実に起業するための道案内になれればと思います。
キャリアプランの描きにくい時代
日本人の人生コースは戦後一貫して、単線電車のように選択の少ないものでした。つまり、なるべくよい大学を出て、なるべく安定したよい大企業にはいり、なるべくよい地位につき、できれば役員などにもなり、定年まで過ごし、その後は子会社の役員か社長を数年つとめて、晴れて引退、、、。これが「望ましい」「もっとも有利な」日本人のキャリアプランだったのです。
しかし、誰もがもはやこのような人生プランを信じてはいません。あるいは、それがいいと思っていても、そうはさせない現実があります。もし信じているとしたら、よほど時代感度の鈍い人でしょう。では、この典型的なキャリアプランに代わる、目指すべき道は何なのか。それがなかなか見出せずに、悩んでいる人も多いはずです。キャリアプランの描きにくい時代なのです。
ただいえることは、いままでの世間の常識が押し付けるものを鵜呑みにすることなく、徹頭徹尾、自分に沈潜し、自己洞察し、世の中をリアルに見渡し、答えを出すべきだということです。
起業家という道もある
そんな時代の中、あえて私は皆さんに、「起業家」という道もあるよ、といいたいのです。
「起業家?自分で事業をおこす?大変そうだなあ」そんな感想をもたれるでしょう。しかし、起業家になる、とは、果たして本当にそんなにハードルが高いものなのでしょうか?起業家のうまみは何でしょう?リスクは何でしょう?そんな疑問に対して、これからの連載で私自身の起業ストーリーや、私の起業家仲間たちの例などをひもときながら、皆さんに起業家ライフをご覧にいれたいと思います。
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