米MS、自己管理業務ソフトウェアの構想を明らかに

 米Microsoftは、自己管理コンピューティングシステムを構築するための新たな取り組み、Dynamic Systems Initiative(DSI)について明らかにした。

 DSIでは、変動するコンピューティング需要に自動的に対応し、補填を行なう業務ソフトウェアの構築を目指す。例えば、通常の数をはるかに上回るユーザがウェブサイトを訪れた場合、オンラインに公開するサーバを自動追加するソフトウェアなどがこれにあたる。

 MicrosoftはDSIで、ハードウェアメーカーと協力体制を敷き、競合他社に勝る管理ツールやシステムを提供したいと考えている。ハードウェアとソフトウェア両方の開発を新構想に取り入れ、Windowsシステムの生産性と効率性を最大限に引き出すための標準の策定を図る。「結果的に、UNIXシステムやメインフレームを利用している大規模企業にとって、Windowsサーバがより魅力的な選択肢となる」(Microsoft)。

 MicrosoftのWindows Serverプロダクトマネージャー、Bob O'BrienはDSIについて、「システムとアプリケーションが調和をとりながら連動することで、様式、需要、ニーズに応じたリソースの割当て/再割当てが行える」と説明する。

 DSIと同様のコンピューティング構想には、米IBMのオートノミック(自律型)コンピューティング、米Sun MicrosystemsのN1、米Hewlett-Packard(HP)のAdaptive Infrastructureがあり、各社はその取り組みを既に開始している。これら3社が自己修復や自己管理などの機能を備えたソフトウェアパッケージを開発するのに対し、MicrosoftのDSIでは、管理が容易なアプリケーションをソフトウェア開発者がゼロから構築する方法を定義しようとしている。

 これまでMicrosoftは、ネットワークやデータセンターでリソースやアプリケーションを管理するタスクはOSの機能を超えるものとみなし、その対応をサードパーティーのアプリケーションプロバイダに委ねてきた。しかし、企業顧客に狙いを定めるようになったいまでは、管理ツールの提供をはじめ、サードパーティーのソフトウェアやハードウェアの採用にもいっそう力を入れるようになっている。

 Microsoftは、Windows Server 2003を最初のDSI対応製品として4月24日にリリースする。DSI対応の開発ツールは今年10月以降、Visual Studio.Netに取り入れる予定である。

この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。

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