かつてLotus1-2-3の開発にかかわり、オープンソース推進者でもあるMitchell Kaporが、米Groove Networksの取締役を辞任した。同社が先週明らかにしたもの。
Groove Networksは、先日行われた米Microsoftや米Intel Capitalからの追加出資の発表と同時に、同氏の辞任を明らかにした。「Kaporは自分の時間100%を非営利活動にあてるため、Groove Networksの取締役を辞任した」(同社)という。
1982年にLotus Developmentを共同設立し、Lotus1-2-3の開発を行ったKaporだが、現在はオープンソースの活動に力を注いでいる。Kaporは昨年10月の時点で次のように語っていた。「中小企業や学校などの管理コスト削減につながるような、オープンソースの個人情報管理(PIM)ソフトを開発する方法を模索している」(同氏)
ニューヨークタイムズは、Kaporに近い人物のコメントとして「辞職の理由は、政府が行っているTotal Information Awareness(TIA)プログラムで、Grooveのソフトウェアが利用されていたことにKaporが困惑したためだ」と報じた。国防総省高等研究計画局(DARPA:Defense Advanced Research Project Agency)が行うTIAプログラムは、アンチテロリズムを目的としたデータマイニングプロジェクトで、米国内の電子文書や保管されているデータを収集する。この調査活動でGroove Networksのソフトウェアが重要な役割を果たしているという。
Kaporは代理人を通じて、今回の辞任とTIAプログラムのつながりに関するコメントを拒否した。ただし代理人は「Kaporが今後はOSAF(Open Source Applications Foundation)での活動を増やしていくことを確認した」と語っている。OSAFはKaporが設立したオープンソースプロジェクト。Microsoft Outlookと同等の機能を備える無料PIMソフトを開発していると言われている。
Kaporは1990年、非営利市民グループのElectronic Frontier Foundationを設立し1994年まで議長を務めていた。表現の自由と電子プライバシーの保護を訴えていた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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